設問1
本文中の【 a 】〜【 f 】に入れる適切な字句を答えよ。また、【 b 】ドメイン
及び【 c 】ドメインの意味を、それぞれ25字以内で述べよ。
・用語:全体でのウエイトは小さい。用語の問題を見て、全体をイメージしないように。
a:
文章の内容から、全部リピータHUBで構成されていることが読み取れます。
それが 〜LAN?
◎直前にヒントがあります。 スイッチングハブ=利用帯域が占有できる
ってことは、リピータでのLANは帯域を占有できないLAN。帯域共有LANでいいでしょう。
帯域占有、帯域共有、帯域分割・・・講義でやりましたよね?
(名古屋A 3回目 リンク)
b:ブロードキャストドメイン( ルータを超えてブロードキャストは届かないため)
c:コリジョンドメイン(ブリッジで違うコリジョンセグメントになるため)
d:パケットロス
e:バッファ
(メモリでも×では無いが減点される。一時的に蓄えるのはバッファですね)
f:
バッファが一杯だよ!とクライアント側に教えてあげることによりフロー制御します。
これはコリジョンが起こった時と同じことをしてあげます。
→-2Vの「ジャム信号」を送りましたね。
意味:
字句の説明をそのまま書いてあげればいいでしょう。
|
(解答)
a:帯域共有
b:ブロードキャスト
c:コリジョン
d:パケットロス
e:バッファ
f:ジャム信号
意味
b:ブロードキャストの伝達する範囲のドメイン(20)
c:コリジョンがおこりうる範囲のドメイン(18)
設問2
本文中の【 g 】に入れる適切な字句を15字以内、【 h
】に入れる適切な字句を30
字以内で答えよ。
g:
>表1に示されている仕様から、【 g 】ケーブルを利用しなければなりません。
と書かれているから表1を見ましょう。
ポート構成を見ると、1000BASE-SXがあります。これは大阪実習でも使用しました。
GS1、GS2から推測すると、GS1、GS2は1000BASE-SXのポートを使用してその下は
10BASEとか100BASEとかの普通の線を使って通信することになるでしょう。
ケーブルの種類はマスタリングTCP/IP
P.87 に載っています。
1000BASE-SXの列には 光ファイバー(MMF)と書いてますね。
MMFとはMulti Mode Fiberケーブルのことです。
実習ではSCケーブルを使いましたね。
回答としては、SCケーブル、またはMMFケーブルでいいでしょう。
h:
現在はデスクトップ上で認証を行っています。すると、たまたま出張に行ったり、
違う部署に移ったりすると、認証が取れなくなりグループウエアを利用することが出来ません。
それは、分散管理をやめて集中管理してやると解決することが出来ます。
ですから、一元管理をキーワードに文章を作ってやればいいでしょう。 |
(解答)
g:SCケーブル(6) とか MMFケーブル(7)
「SC」はコネクタの種類。問題についているスイッチの仕様書では、SCコネクタかどうかは判断できないのでこの回答は削除しました。
2000/8/4
h:認証情報や個人のデスクトップ情報を一元管理(21)
データベースで一元管理(11) でもOK。
設問3
図3の破線内に、ネットワークの二重化を考慮して機器間の配線を図示せよ。
GS1-1、GS1-2間は1000BASE-SXを使用していると考えてもGS1-1、GS1-2それぞれ、
あと6ポート余っています。GS2側も2本まるまる余っています。
つまり、素直に1000BASE-SXを使ってGS2のポートをそれぞれGS1-1とGS1-2に
つなぎに行くのがいいでしょう。
【講義中の質問】
大阪実習では、サーバ間の接続にSCケーブルを使用しました。
それは、2本1セットとして使用し全二重通信を確立していました。
つまり、1つの通信でポートを2つ使用すると考えなくていいんでしょうか。
【回答】
確かに口としては2つですが、この場合2口で1ポートと考えます。 |
(解答)

設問4
スイッチングハブの処理能力に関する次の問いに答えよ。
(1)次の【 i 】〜【 m 】に入れる適切な数値を答えよ。答えは、小数第2位を切り
捨てて小数第1位まで求めよ。ただし、計算は10BASE-Tの条件のもとで行うこと。
計算問題です。計算ミスに注意しましょう。有効数字、単位、切り上げか?四捨五入か?
気をつけましょう!あとで検算できるように、紙の隅に使った数字と単位を残しておきましょう。 |
(a)1ビットを転送する時間は、【 i 】マイクロ秒
10BASE-Tを使用しています。転送速度は10Mbpsです。
1秒間に10Mビット送れます。1ビット送るには何秒かかりますか?
1/(10×10^6) = 0.1マイクロ秒
丸め、有効数字、単位のチェックはOKですか? |
(解答)
0.1(マイクロ秒)
(b)IEEE802.3では、フレーム間隔は最小96ビットなので、時間に直すと、【 j 】
マイクロ秒
IEEE802.3では連続転送できません。フレーム間隔が必要です。
(a)で1ビット当たりの転送時間を求めました。96ビットでは?
96 × 0.1 = 9.6 マイクロ秒
丸め、有効数字、単位のチェックはOKですか? |
(解答)
9.6(マイクロ秒)
(c)プリアンブルとフレーム開始デリミタを合わせて8バイトなので、これを転送す
る時間は、【 k 】マイクロ秒
プリアンブルとは
CSMA/CDでは、パケットの前に101010…を64ビット(8バイト)付けて、リズムを付けています。
いちおう、ハード側(NIC、接続機器など)で、転送速度を合わせています(10Mbpsとか100Mbpsとか)が、
完全に両側の同期をハードのみで合わせるのは難しい(お金がかかる)ので、このプリアンブルで
リズムを合わせている。盆踊りでの始めのたいこみたいなものでしょうか。(Sコース3回目講義より)
これが、8バイト=64ビットあります。
64 × 0.1 = 6.4マイクロ秒
丸め、有効数字、単位のチェックはOKですか? |
(解答)
6.4(マイクロ秒)
(d)IEEE802.3最小フレームを転送する時間は、【 l 】マイクロ秒
IEEE802.3最小フレーム長は? 64オクテットです。
これを覚えていないと、この問題は解けません。
(ちなみに最大フレーム長は1518オクテットです。)
つまり転送時間は 64×8×0.1=51.2マイクロ秒です。
これを足し算すれば、1フレーム当たりの転送時間が求まります。
9.6(フレーム間隔) + 6.4(プリアンブル) +
51.2(最小フレーム長)=67.2マイクロ秒
丸め、有効数字、単位のチェックはOKですか? |
(解答)
67.2(マイクロ秒)
(e)これらから、10BASE-Tのワイヤスピードは、【 m 】フレーム/秒
ワイヤスピードとは、大阪実習でみずおか先生がチラッと言いましたが、1秒当たりの
フレーム転送能力のことです。
つまり、(d)で求めた数値の逆数で求まります。
1/(67.2×10^-6) = 14,880.95
丸め、有効数字、単位のチェックはOKですか?
→14,880.9 |
(解答)
14,880.9(フレーム/秒)
(2)図2の構成において、各ポートとも全二重通信の場合、
スイッチングハブS3-1に
かかる理論的最大負荷(パケット/秒)を求めよ。また、この理論的最大負荷がかか
ったとき、
スイッチングハブS3-1のフォワーデイング処理能力で十分かどうか答え
よ。
問題文のZ課長のコメント : 分かった。例えば、図2の スイッチングハブS3-1は、11台の スイッチングハブ
を収容しているので、各ポートでの同時通信が発生した場合、パケットロスの危険性があるね。
これから出題されています。
Ethernetですから、(1)でやりましたように、1フレームにはプリアンブル
64ビット、ギャップ(フレーム間隔)96ビット
最小フレーム長
512ビットありました。(1)では10BASE-Tとして計算しましたが、今回は100BASE-TXです。
速度は10倍になりますので、ワイヤスピードは14,880.95×10=
148,809.5ppsになります。
丸め、有効数字、単位のチェックはOKですか?
次に、 スイッチングハブS3-1のフォワーデイング処理能力で十分かどうかです。
このワイヤスピードで、接続されている11台全てから送信されてきたらどうなるでしょう?
148,809.5 × 11 = 1,636,904.5pps です。
表2のS3のフォワーディング能力をみると1,280,000PPSです。なので、十分ではないですね。 |
(解答)
148,809.5(パケット/秒)
十分でない
設問5
グループウェアサーバの統合及び利用環境の改善に関する次の間いに答えよ。
(1)図4の複製方式での二重化で、サーバ障害時に予想される問題点を、35字以内で述
べよ。
・何を問われてるかをしっかり確認しましょう。(何を問われているかにマーキング!)
問題点を問われています。
これは、素直に考えればいいと思います。 |
(解答)
プライマリサーバで更新された情報が失われてしまう可能性がある点(31)
(2)双方向複製によるクラスタリング方式で発生する可能性のある問題点を、60字以内
で述べよ。また、この問題を避けるための方法を40字以内で述べよ。
・何を問われてるかをしっかり確認しましょう。(何を問われているかにマーキング!)
問題点と方法を問われています。
この場合のキーワードは、別サーバの同一データを同時更新した場合の不整合発生です。
ですから、対策は優先するサーバを固定することですね。 |
(解答)
問題点:別のサーバにある同一データを複数のユーザが同時に更新した場合、
双方向複製時にデータの不整合が起こる可能性がある点。(57)
方法:データを更新するアプリケーションごとに優先的に利用するグループウエアを固定する。(40)
(3)個人情報管理サーバを導入する場合の運用上の問題点を二つ挙げ、それぞれ30字以
内で述べよ。
・何を問われてるかをしっかり確認しましょう。(何を問われているかにマーキング!)
問題点を問われています。
運用上の・・・です。管理者サイドで考えてください。
一局集中したときの弊害を管理者サイドで考えてみましょう。
・サーバがダウンすると誰も認証できなくなる
・セキュリティが破られると全員の個人情報が流出してしまう
・認証依頼が集中するため、始業時等に十分な性能が得られない
|
(解答)
・個人情報管理サーバがダウンすると誰も認証できなくなる点。(27)
・個人情報管理サーバの不正侵入されると全員の個人情報が流出する。(30)
・認証依頼が集中するため、始業時等に十分な性能が得られない点(29)
など
設問6
負荷分散装置に関する次の問いに答えよ。
(1)(ア)の方式ではなぜ動的なページで問題が発生するかを、70字以内で述べよ。
問題が掴めないので保留とします。
(ADD 00/9/16)
大阪Aコースでは説明があったようです。
CGIを利用してクライアントとWWWサーバー経由のデータベースと複数回のコネクションによりひとつの処理が完結するような場合、
負荷 分散処理装置で要求サーバが動的に変わってしまいます。それを書けばいいでしょう。
|
(解答)
CGIを利用してデータベースと複数回のコネクションによりひとつの処理が完結するような場合、
負荷
分散処理装置で要求サーバが動的に変わるため(68)
(2)T君が指摘した、(イ)の方式でWWWサーバの負荷分散を行った場合の問題点を、
60字以内で述べよ。
要求元(送信元)IPアドレスによってサーバを振り分ける方法です。
wwwサーバを利用する送信元IPアドレスに偏りがあった場合、どちらかのサーバに負荷が集中する
恐れがあります。それを書いてあげればいいでしょう。 |
(解答)
wwwサーバを利用する送信元IPアドレスに偏りがあった場合、どちらかのサーバに負荷が集中し、
十分な負荷分散ができない点。(60)
(3)図6の構成では、どのような通信に対してファイアウォールが二重化されないかを、
40字以内で述べよ。
・何を問われてるかをしっかり確認しましょう。(何を問われているかにマーキング!)
どのような通信に対してファイアウォールが二重化されないかを問われています。

ここでのキーワードは、
”一方、ファイアウォールの仕様から、 ルータには静的な経路情報の設定が必要になります。”
です。 ルータではデフォルトゲートウェイで設定しているのでしょう。
つまり、インターネットから ルータを通ってwwwサーバへアクセスする場合、デフォルトゲートウェイに
記述されたファイアウォールにしかフォワード出来ない。 |
(解答)
インターネットから社外に公開しているwwwサーバへの通信。(28)
【余談】
では、内側からインターネットへ接続した場合、二重化は機能するでしょうか?
図4では記されていませんが、一般的には内部ネットワークはプライベートアドレスを使用しており、
ファイアウォールのNAT (Network
Address Translation)機能でグローバルアドレスに変換して
外部アドレスに出されます。つまり、
ルータから見ると送信元アドレスは送信元PCのIPアドレスではなく、
NATで変換されたファイアウォールのグローバルIPアドレスになります。
ルータとファイアウォールは同じコリジョンセグメントなので、ルーティング無しで通信できそうですね。
【補習1】☆☆☆ スイッチングHUBのバックプレッシャーについて ☆☆☆
Z課長のパケットロスに対する スイッチングHUBの対応についての質問をS君にしてました。
その回答の中で、
「 スイッチングHUBのバックプレッシャによるフロー制御は全二重接続時は利用できないという問題があります。」
と言っています。
この、
>全二重接続時は利用できないという問題があります。
は何でなのでしょうか?
これは、全二重接続時は衝突検知を行わないためです。
バックプレッシャーによって発生させたジャム信号を受け取った
ノードは、衝突が発生したと解釈してランダム時間、送信を止めます。
つまり、バックプレッシャーは、半二重(CSMA/CD)での動作の応用ですが、
全二重はCSMA/CDではありません。よって全二重では機能しません。
☆ では、全二重接続時にフロー制御を行う場合はどうすればいいでしょうか? ☆
全二重では、PAUSEフレームでフロー制御を行ないます。
参考:アライドのHP(フロー制御)
☆ もう一つのフロー制御の役割 ☆
フロー制御は、このようにネットワークの混雑時もそうですが、10Mbpsと100Mbpsなど複数
の速度に対応したスイッチで活躍します。
100Mbpsで入ってきたフレームを10Mbpsで出そうとすると、出口が1/10になって
しまいます。急に狭くなった出口から一気に流し出そうとすると、当然流しきれ
ずにあふれてしまいますよね。
ここで、あふれないよう流量を適切に調整することが、フロー制御の役割の一つです。
☆ 「ワイヤスピード」および「ブロッキング/ノンブロッキング」という言葉について
☆
大阪Sコース10回目の講義で、ワイヤスピード、ブロッキング/ノンブロッキングについて行いました。
ノンブロッキング/ブロッキングは、パケット受け入れの許容量でノンブロッキングは,
ブロックすることなくすべて受け入れ可能です。
しかし,フロー制御機能搭載が必要な理由として,以下のものがあります。
・パケットバッファサイズ
いくらパケットを受け入れられても転送能力が弱ければ,このパケットバッファに
たまっていきます。特に100Mbps→10Mbpsは要注意です。
パケットバッファがいっぱいになったら,流量制限しないといけませんね
・ASIC性能
パケットの転送するかどうかを判断する性能です。
スイッチグハブにおいてパケットの転送可否判断は,
ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向けIC)が行います。
・バックプレーン
パケット転送能力です。
また、この「ワイヤスピード」および「ブロッキング/ノンブロッキング」という言葉ですが、これは少し注意する必要があります。
スイッチの性能評価指標の一つであるワイヤスピードは、通常、最小フレーム長をもって計算されます。
アライドテレシスの製品情報 スイッチ(CentreCOM
8724SL)
においても、スループットのところに、「100M<->100M 148,810pps (64Byte)」と
いう形で最小フレーム長(64バイト)での値であることが明記されています。
つまり、最小フレーム長においてノンブロッキングの性能値であっても、本当にノンブロッキングかどうかはわかりません。
また、上記のWebページでは、等速度間のスループットしか書かれていませんが異速度間では、
遅いほうのカタログスペックよりも遅くなることが多いです。特に、FSシリーズクラスのデスクトップスイッチでは、顕著に現れます。 |
【補習2】☆☆☆ LAN用語として「輻輳」という言葉を使っていいでしょうか。
☆☆☆
FR網のCIRの定義の中で、「輻輳」という言葉を勉強しました。トラフィックが混み合うという意味で
LAN用語として使用するのでしょうか。
例:全二重のスイッチではコリジョンは発生しませんが、輻輳は発生します。
輻輳は,パケット交換網などにおいてトラフィックがある1点に集中することをいいます。
全体的に混みあうことを輻輳とはいいません。「混雑」と「輻輳」は意味が違います。
例:10年午後1問2設問1f (この答えは「輻輳」でいいんですよね?)
この言葉は「パケット交換網などにおいて」が重要です。
最近の試験問題で言うと、フレームリレーの用語として重要です。
1点にトラフィックが集中する場合でも、LANではこの言葉はあまり使わないです。
例えば・・・
×「バックボーンスイッチが輻輳している」
×「サーバが輻輳して使い物にならない」
などという言い方はとても違和感があります。
と、言いながらマスタリングTCP/IP入門編第2版P97のふくそう(輻輳)の説明では、
「ネットワークが非常に混雑して、 ルータやスイッチがパッケトやセルを処理しきれなくなった状態のこと。
処理しきれなくなったパッケトやセルは破棄される。」
となっています。
これは、素直に読んで素直に解釈すると「ネットワーク上のトラフィックの混雑が輻輳」を表しているように思えます。
☆ 「輻輳」という言葉は、LAN用語として使わないほうがよろしいのでしょうか?
☆
テクニカルエンジニア(ネットワーク)の試験対策として考えると、「輻輳」という言葉は、LAN用語として使わないほうがよろしいのでしょうか?
巷では、LAN用語としてアライドのHPを見ると、フローコントロールの説明に
「輻輳」という言葉を使っています。
このように使っている事例もあり、使っていけないとは思わないですが、テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験対策として実際どうかは分からないですね。
さらなる情報がありましたらお願いします。 しかし、あいまいな状態の言葉(ど忘れしたも含む)は使わず、それに置き換わる言葉で逃げるのも試験対策として
重要かもしれません。
|
今回は、バックプレッシャーのフロー制御から始まり、ブロッキング/ノンブロッキングの考え方、「輻輳」の言葉にまで、
いろいろ教示、情報紹介いただきありがとうございました。(Tom)
フレームリレーはほとんど毎年出題されています。
平成9年度 午後2問2表3
に書かれている意味が分かるようになっていきましょう。
平成9年度 午後2問2 表3 Q社フレームリレー仕様
項 目 |
仕 様 |
アクセス回線 |
高速ディジタル回線 |
物理インタフェース |
1インタフェース |
DLCI制限 |
32まで |
通信形態 |
PVC(相手固定接続) |
CIR品目 |
16、32、64、128、192、256、384、512、768kビット/秒、
1Mビット/秒 |
アクセス回線品目 |
64、128、192、256、384、512、768kビット/秒、1.5Mビット/秒 |
CIR |
フレームリレー網が正常な状態のときに保証される情報転送速度 |
アクセス回線とCIRの
組合せに関する制約 |
一つの アクセス回線に対して、設定可能な一つのCIRは アクセス回線
の速度以下であること。
一つの アクセス回線におけるCIRの総和は、 アクセス回線速度の1/4
以上、2倍以下であること。 |
まず、このような
WANを専用線で考えてみましょう。(平成9年度
午後2問2で言えば、図1 ADD(00/8/13))
大阪 |
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東京 |
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仙台 |
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名古屋 |
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回線数は、東京で3本、大阪、名古屋で各2本、仙台で1本ですね。
回線料金は、DSU、距離・回線速度によって決まってきます。これは前回の講義でやりましたね。
今は減りましたが、専用線でやっていたのをフレームリレーにしたら料金はどうなりますか?
っていう問題(Replace)が出ていました。平成9年度
午後2問2もそんな問題です。
☆ 通信の分類 ☆
通信
MODIFY(00/8/13)
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専用回線 |
--- |
一般専用サービス ------- |
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アナログ
(帯域品目) |
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デジタル品目
(符号品目)
2400,4800,9600など |
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高速デジタル回線(これが高い!NTTの独断場)
64K〜6M |
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超高速デジタル回線
50M〜150M |
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交換回線 |
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回線交換(普通の電話です)
即時式
(呼量の計算、呼損率) |
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アナログ
(公衆電話網) |
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デジタル(ISDN)
(NTTではINS-C) |
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蓄積交換
待時式(待ち行列) -------
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パケット交換
(X.25プロトコル)
(NTTではINS-PADD(00/8/13)) |
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フレームリレー |
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セルリレー
(例:ATMADD(00/8/13)) |
☆ FRの特長 ☆
FRの蓄積交換と回線交換を比較すると、交換回線は接続したら必ず1本の通信路であるのに対して、
蓄積交換は、どこを通ってもかまいません。網内で蓄えながら運びます。ですので回線を占有しませんので
回線料金は安くなります。
また、パケット交換網と比較すると、データ100に対するヘッダがパケットの場合30なのに対してフレームリレーでは5で済みます。
さらに、おいしいことにヘッダを作るオーバヘッドも少ないのです。
つまり、データの品質がパケット交換が出来た当時(40年前)より良くなってきたので、軽いプロトコルを作ろうよ!
と開発されたのがフレームリレーなのです。
さらに、もう一点。パケット交換のプロトコルX.25はネットワーク層です。
TCP/IPを用いようとすると、TCP/IPのネットワーク層はIPなので問題が発生します。
パケット交換でTCP/IPを使おうとすると、出来ないわけでは無いですが、X.25とIPで橋渡しが必要になります。
その点、フレームリレーは第2層までなので都合がいいのです。
☆
では、先ほどの図をFR網に置き換えてみましょう ☆(平成9年度
午後2問2で言えば、図3 ADD(00/8/13))
大阪 |
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------ |
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東京 |
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仙台 |
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名古屋 |
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フレームリレー網 |
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大阪 |
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仙台 |
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名古屋 |
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東京 |
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これで、トポロジ的には同じです。
このフレームリレーを提供する会社は20社ぐらいあります。
契約はPVC(Permanent Virtual Connection)接続で行います。
(PVCに対することば SVC(Switched Virtual
Circuit)も覚えておきましょう)
このフレームリレー会社の網の口からつなぎたいお客さんのPCまで電気通信事業者の
回線(
アクセス回線)でつながなければなりません。
図では4つの論理的な線があります。
仙台からではいいんですが、その他は1本の
アクセス回線から3本の振り分ける必要があります。
その識別番号のことをDLCIと言います。
DLCIはHA(ハードウエア
アドレス)と考えてもらってもいいです。
フレームリレーの元である
HDLCではアドレスは8ビットでしたが、フレームリレーでは5ビットになっています。
ここまでで、論理的な道はつながりました。
次に速度をどうしますか?
フレームリレーではこのDCLIごとに決めてやる必要があります。
アクセス回線の速度を
アクセス回線速度、フレームリレー網内の速度をCIRと言いますが、その内容については次回で。
☆☆☆ ここからは、8回目(大阪)の講義内容ですが、切りが悪いのでこっちでまとめます
☆☆☆ 00/8/28
フレームリレーは儀式的ないろんな制御を取っ払ったと言いましたが、輻輳制御とエラーチェックはあります。
しかし、エラーが発生しても再送はしません。エラーが発生したデータを送るのはもったいないので破棄してしまいます。
再送するかどうかは上のプロトコルが面倒を見ます。
☆☆☆ CIRと
アクセス回線速度の関係
☆☆☆
これは、フレームリレー会社によって違います。
過去問 平成9年度
午後2問2 を例にとると・・。
CIR品目 |
16、32、64、128、192、256、384、512、768kビット/秒、
1Mビット/秒 |
アクセス回線品目 |
64、128、192、256、384、512、768kビット/秒、1.5Mビット/秒 |
CIR |
フレームリレー網が正常な状態のときに保証される情報転送速度 |
アクセス回線とCIRの
組合せに関する制約 |
一つの アクセス回線に対して、設定可能な一つのCIRは アクセス回線
の速度以下であること。
一つの アクセス回線におけるCIRの総和は、 アクセス回線速度の1/4
以上、2倍以下であること。 |
>一つの
アクセス回線に対して、設定可能な一つのCIRは
アクセス回線
>の速度以下であること。
ですから、
アクセス回線速度を64kbpsとすると、CIRは64kbps以下になります。
また、
>一つの
アクセス回線におけるCIRの総和は、
アクセス回線速度の1/4
>以上、2倍以下であること。
ですから、DLCIごとの必要CIRが下表だと考えると、
|
CIR |
東京〜大阪 |
32kbps |
東京〜名古屋 |
16kbps |
東京〜仙台 |
16kbps |
大阪〜名古屋 |
16kbps |
このようになります。(一例です)
地区 |
CIR総和 |
アクセス回線速度 |
東京 |
64kbps |
64kbps |
名古屋 |
32kbps |
64kbps |
大阪 |
48kbps |
64kbps |
仙台 |
16kbps |
64kbps |
交換機は別料金としている会社もあれば、CIRの料金に組み込まれている会社もあります。
それは問題の中で確認しましょう。