基礎3(OSI 第3層)
iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾 Aコース 3回目 講義ノート)

最終更新日 2006/05/02
webmaster@tomnetwork.net

Tomのネットワーク勉強ノート
Homeに戻る
(Tomのネットワーク勉強ノート) 
サイトマップ
iTAC テクニカルエンジニア
(ネットワーク)塾講義ノート 
過去問題(午後)
  テクニカルエンジニア (ネットワーク) 
  情報セキュリティ アドミニストレータ 
  テクニカルエンジニア
(情報セキュリティ)(午前・午後)
  基本情報技術者(午前・午後)
ネットワーク関連試験対策ノート
情報セキュリティ関連験対策ノート
情報処理用語辞書
自宅で出来るネットワーク簡易実習 
私の勉強法 
情報処理試験勉強に役立った本たち
更新履歴 
リンク集  
プロフィール 
国内旅行の下調べ
---Tomのトラベルオンラインリンク
(新幹線、時刻表、金券ショップ、
格安航空券など)
   
  mail
ショッピング

    Powered By 楽天市場

 

スポンサー:
Yahoo!トラベル
ホテルリステル猪苗代
株式会社東栄住宅
競馬サーチ.com
ニフティ株式会社
ホームトレイン
有限会社ルーティ
キーマンズネット
楽天仕事市場 infoseek キャリア
e-learnインターネット通信講座
アークホテルネット
ブルックス
モビット

 他

 

Tomのネットワーク勉強ノート
 iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾講義ノート 
   Aコース(全12回) 
     3回目---基礎3(OSI 第3層) 

iTAC塾講義ノート

コース名

テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾Aコース3回目(名古屋)

講師

mitsu先生

日時

2000年6月18日

9:30〜16:30

場所

名古屋市生涯学習推進センター

内容

IPアドレス、ルータ

(概要)

今回の講義は、最初に前回の復習として、リピータ、ブリッジについて取り上げ、本題としては第3層の

・IPアドレス

クラス、サブネットマスク、CIDR、プライベートアドレスとグローバルアドレス

ルータ

スタティックルーティングとダイナミックルーティング、

RIP、EGPsとIGPs、

リンクステート型と距離ベクトル型

☆ 今日の一言 ☆ 昨日の運勢安心計画

についての講義がありました。

以下にその内容をまとめます。

今回の講義内容は、大阪テクニカルエンジニア(ネットワーク)-Sコース6回目(5/28)とオーバーラップしているところが多いので、リンクしながらノートをまとめていきます。


(前回の復習)

☆ リピータ ☆

[PC] [リピータ] [PC]
| |     | |
・-+-- --- ---+     +--- --- --+-・

リピータは物理層での電気信号の増幅に用いられる。

最近は2ポートだけのリピータはあまりない。→HUB(マルチポートリピータ)
(リピータHUB、ダムHUBとも言います)ADD(00/8/12)

 

リピータでは信号の中身には関与しません。

☆ ブリッジ ☆  (リピータが物理層での中継に対して、第2層・データリンクで中継(MACアドレス)します。)ADD(00/8/12)

 

    A   B                   X   Y    
    |   |                   |   |    
        - ----- (ポート左) ブリッジ (ポート右) ----- -        
    |   |   |           |   |   |    
----- + ----- + ----- + -----   ----- + ----- + ----- + -----

ブリッジはアドレステーブルを持っている。

アドレステーブル

MACアドレス ポート番号
A
B
X
Y

☆☆☆ ラーニング機能 ☆☆☆

ブリッジは、アドレステーブルでどのポートにどのアドレスがつながっているか学習する機能

☆☆☆ フィルタリング機能 ☆☆☆

余計なフレームを流さない機能

例1:A→Bのフレームは、入力ポート=あて先のアドレスがあるポートなので破棄します(フィルタリング)

  A B

例2:A→Xのフレームは、入力ポート≠あて先のアドレスがあるポートなので通過させます。

  A X

☆☆☆ 用語の確認 ☆☆☆

コリジョンセグメント・・・コリジョンを起こしうるセグメント。HUBでつながったネットワークは1つのコリジョンセグメントですが、ブリッジでは2つに分かれます。

2つの副層:LLC(Logical Link Control)副層・・・フレームの再送制御などを行います。MAC(Multimedia Access Control)副層・・・字の如くアドレスの制御を行います。

☆☆☆ スイッチ(スイッチングHUB) ☆☆☆
(マルチポートのブリッジです)ADD(00/8/12)

----- --・-- ----- --・-- ----- ----- ----- ----- -----
----- --|-- ----- --|-- ----- --・-- ----- --・-- -----
  |   |   |   |  
         
  |   |   |   |  
  A   B   C   D  

AとB、CとDが同時に通信が出来る。

スイッチングHUBの特長を書け ・・・というような午後問題が出るとします。

これには、スピードが速くなると書いてはいけません。(スピードは100Mbpsなら100Mbpsのままです)

スループットが速くなると書きましょう。

上の図では、スイッチ内部を2本の線を書いて、A〜B、C〜Dの同時通信可能と書きました。

しかし実際は2本の線があるわけではなく、帯域の太い線があり時系列で分割して通信を行っています。

この方法を帯域時分割と言います。

その他に帯域の使い方として、専用線のような帯域専有、パケット、FRのような帯域共有があります。

特長を表にまとめるとこのようになります。言葉と特長は覚えておきましょう。

  帯域時分割 帯域専有 帯域共有
使用例 ブリッジの内部バス
TDM
専用線 パケット通信、FR網
特長 必ず使える 必ず使える 混んでると使えない
帯域100Mbpsの時
の通信速度
10コに分割するなら

100/10=10Mbps

100Mbps 0〜100Mbps



ルータ)ネットワーク層での中継装置(マスタリングTCP/IP P.202)

IPアドレスの意識して通信を行います。

IPアドレス(マスタリングTCP/IP P.116)

IPアドレス(v.4)は32ビットで表されます。

しかし、11100010101010101011111100110011と表記されてもわからないので、8ビットごと”.”で区切り、10進数で読みます。

11100010. 10101010. 10111111. 00110011 → 226.170.183.51

 

IPアドレスは全世界でユニークです。そのユニーク性を確保するために割り当て機関があります。(日本ならJPNIC)

しかし、割り当て機関が全てのIPアドレスを割り当てているわけではありません。

XXXXX・・・・XXX XXXX・・・XXXX
ネットワークアドレス部
割り当て機関からもらう
ホストアドレス部
ネットワーク管理者が自由に使う

「1500番代はつかってもらっていいから、1500〜1599までは自由にどうぞ」って感じです。

☆☆☆ クラス ☆☆☆(マスタリングTCP/IP P.120 ADD(00/8/12))

IPアドレスは32ビットで、ネットワークアドレス部とホストアドレス部に分かれます。

つまり、どこで切るかで自由に使えるホストの数が決まります。

その分ける位置を、ネットワークの規模に応じてクラス分けをしました。

ネットワークの規模 クラス 先頭ビット ネットワークアドレス部の
ビット数
ホストアドレス部の
ビット数
接続できる
ホストの数(※)
大規模 Aクラス 0 7 24 2^24-2=16,777,214
中規模 Bクラス 10 14 16 2^16-2=65,534
小規模 Cクラス 110 21 8 2^8-2=254
           
マルチキャスト Dクラス 1110      
実験用 Eクラス 1111      

※全ビット0または全ビット1のビット構成は使用できないので、接続できるホストの数は2を引かなければなりません。

☆☆☆ サブネットマスク ☆☆☆(マスタリングTCP/IP P.126 ADD(00/8/12))

では、クラスCをもらったとしましょう。実際、1つのネットワークで254台つなぐでしょうか?

そんなにつなぐとコリジョンが頻繁に起きますし、一つのフロアで254台PCをつなぐケースも多くありません。

5F 50台    
・-----・

(R)
4F 50台
・-----・

(R)
3F 50台
・-----・

(R)
2F 50台
・-----・

(R)
1F 50台
・-----・
 

また、上のような5F建てのビルのネットワークを考えてみましょう。各フロアのネットワークをルータでつないでいるのでクラスCが5つ必要になります。

しかしながら、実際にはIPアドレスが不足しているのでもらえません。

ではどうするのか?その方法がサブネットマスクです。

☆☆☆ サブネットマスクって何? ☆☆☆

32ビットのIPアドレスのうち、どこまでがネットワークアドレス部かを示すものです。

ネットワークアドレス部は1、ホストアドレス部は0で埋めてやります。

ネットワークアドレス部 ホストアドレス部
111111・・・・111 0000・・・0000

これがサブネットマスクです。

これも同じように8ビットに分けて、ドットつき10進数で読みます。

〜デフォルトのサブネットマスク〜

クラスCは ネットワーク部 24ビットでホスト部は8ビットですので

111111・・・・111 00000000
|<---24コ--->| |<-8コ->|

となり、サブネットマスク 255.255.255.0と同じ意味になります。

同様にクラスBでは255.255.0.0がデフォルトのサブネットマスクになり、

クラスAでは255.0.0.0となります。

上のビルで考えてみましょう。

クラスCではホストアドレス部が8ビットあり254コ接続できますが、余裕を見ても6ビット(62コ分)あれば十分です。

IPアドレスのネットワーク部は割り当て機関からもらうので勝手にいじれませんが、ホスト部は自由に変えることが出来ます。

ですから、使わないビットはネットワーク部にしてやります。

255.255.255.192 これがサブネットマスクになります。

☆☆☆ ・・・と説明しながら、実際には5Fだてで各フロアに50台ずつのパソコンの接続は無理です。 なぜ? ☆☆☆

サブネットで分けるとネットワークの管理がしやすくなる(利点)のですが、
使用できるアドレスが少なく(欠点)なります。

クラスCでは、前に書きましたように254コ使えます。

しかし、サブネットで、ホスト部を

ネットワーク部 5ビット ホスト部 3ビット

に分けると、全ビット0、全ビット1は使えないので、使えるホストの数は、

各サブネットで、ホスト数 8-2=6 ネットは32-2=30

Totalで30×6 = 180 台しか使えません。

このように5つのネットワークに分けるとサブネット部は3ビット必要なので、ホスト部は5ビットしか割り当てられず、1フロアで30台しか使えないのが分かります。

☆☆☆ 演習問題 1 ☆☆☆

サブネットが29ビットであるとき、サブネットマスクはどう表されるでしょうか?

1が29ビット並んで残りが0なので、11111111 11111111 1111111 11111000

255.255.255.248ですね。

☆☆☆ 演習問題 2 ☆☆☆

3Fだてのビルでサブネットマスクを利用してこのようなネットワーク構成にしている会社があります。

普通に順番にネットワークアドレスを設定していると考えて、サブネットは何ビットでしょう?

3F 200.200.200.64
2F 200.200.200.32
1F 200.200.200.0

最後の8ビットだけを見ると

3F・・・01000000
2F・・・00100000
1F・・・00000000

太字部でネットワークを構成しているので、32-5=27ビットがサブネットマスクになります。

☆☆☆ CIDR (Classless Inter-Domain Routing) ☆☆☆(マスタリングTCP/IP P.128 ADD(00/8/12))

クラスCでは254台のホストが割り当てられます。しかしSOHOなどでは10台くらいしか使わないケースがあります。

それは、このIPアドレスが足らないご時世で非常にもったいないです。

その対策として、クラスの考えを無くし、ホストが少なくていい場合はもっと少ないホストアドレス部で渡しましょうという考えが生まれました。これがCIDR(Classless Inter-Domain Routing :さいだーと読む。三ツ矢といえば?)です。

ホスト部が4ビット場合は2^4-2=14台つなげることが出来、

200.200.200.0/28 と表記します。(ネットワークアドレス部が28ビットで、ホストアドレス部が32-28=4ビット)

☆☆☆ サブネットマスクとの違い ☆☆☆

サブネットマスクもネットワーク部とホストアドレス部の分かれ目を変更して接続するホスト数をコントロールしました。

では、CIDRとサブネットマスクの違いは何でしょう?

サブネットマスクは、インターネットから見るとクラスCの1つのネットワークであり、中でサブネットで区切られているのを意識していませんが、CIDRでは、インターネットから見ても、この区切られ方です。

逆に 200.200.200.0 / 22 というCIDRは何を意味しているでしょうか?

ネットワークアドレス部が22ビットなので、 200.200.200.0〜200.200.203.255まで自由に使えます。

つまり、従来のクラスCの考えだと、200.200.200.0、200.200.201.0、200.200.202.0、200.200.203.0

と連続的に4つのネットワークアドレスがもらえたことになります。

☆☆☆ プライベートアドレスとグローバルアドレス ☆☆☆(マスタリングTCP/IP P.130 ADD(00/8/12))
(日経ネットワーク 5月号 P.101 ADD(00/8/12))

IPアドレスは、前に書きましたようにNICから割り当てられます。

しかし、世界中のどのNICも割り当てないアドレスがあります。

クラスA・・・10.XX.XX.XX クラスB・・・172.XX.XX.XX クラスC・・・192.XX.XX.XX

これは、私的なネットワーク内で利用できるプライベートアドレスとして設定されています。

このIPアドレスを利用した場合はインターネットで外部に伝えることは出来ません。

逆に、インターネットで利用できる普段使っているIPアドレスはグローバルアドレスと言われています。

試験では、意味を説明せよ・・・とは言われませんが、注記も無く普通に使われている用語なので意味を理解しておきましょう。

ルータ Router ☆(マスタリングTCP/IP P.202 ADD(00/8/12))

☆☆☆ ルータとは ☆☆☆

ルータの機能として、大きく2つに分けることが出来ます。

1.ネットワークとネットワークの接続

2.ルーティング

☆☆☆ ネットワークとネットワークを接続について ☆☆☆

例えば、300台のパソコンがあるとします。全てのパソコンでインターネットに接続したく、JPNICに申請したところクラスCが取れました。

でも、クラスC(200.200.200.0〜255)で接続できるのは254台までなので、もうひとつ必要です。

申請したらラッキーにも取れた(200.200.201.0〜255)としましょう。下図のようなネットワークの接続は出来るでしょうか?

[PC] ・・・・ [PC] [PC] ・・・・ [PC]
・----------- ---- -------------- -- ------------ ---- --------------・
200.200.200.1 ・・・・ 200.200.200.150 200.200.201.1 ・・・・ 200.200.201.150

2つのネットワークを接続するにはルータが必要になります。

[PC] ・・・・ [PC] [ルータ] [PC] ・・・・ [PC]
・----------- ---- -------------- --・ ・-- ------------ ---- --------------・
200.200.200.1 ・・・・ 200.200.200.150 200.200.201.1 ・・・・ 200.200.201.150

☆☆☆ ネットワークアドレス ☆☆☆

線につけられた番号と考えれば分かりやすいでしょう。

IPアドレスが32ビットで表現するようにネットワークアドレスも32ビットで表現し、ホストアドレス部は0にします。

上表なら200.200.200.0、200.200.201.0がネットワークアドレスになります。

(ホストアドレスで全ビット0が使えないのはそれがネットワークアドレスを表すからです。ちなみに全ビット1はブロードキャストです)

【余談】家のPCで”netstat -r”と入力してみてください。ルーティングテーブルが見られます。

☆☆☆ もうひとつのルータの機能・・・ルーティング機能 ☆☆☆

ルータは第3層の中継装置です。第3層はエンドtoエンドの通信の確立なので、

PCからiTACサーバへ接続する際には

「どこを通ってもかまいませんが、PCとiTACサーバの通信について」は管理します。

ルータはその経路についての制御を行います。

☆☆☆ ルータの経路制御 ☆☆☆

[A] [B] [C]
| | |
・-+-- -- --+-- [R1] -- ---- -- [R2] -- --+-・
[R3]
|

ここで、PC[A](IPアドレスA、MACアドレスa)  → PC[B](IPアドレスB、MACアドレスb)と

PC[A] → PC[C](IPアドレスC、MACアドレスc) の通信を考えてみましょう。

第2層で考えると、A → B は同一コリジョンセグメントなので問題なく通信できます。

一方、 A → C は、他のネットワークなので、ルータR1(IPアドレス R1、MACアドレスr1)に投げつけなければなりません。

フレームの一部を書くとこうなります。

A→B

2層 3層  
b a A B  

A→C

2層 3層  
r1 a A C  

☆☆☆ では、どうやって、あて先が自分のネットワークか否かをジャッジしているのでしょう? ☆☆☆

自分のIPアドレス AND 自分のサブネットマスク

あて先のIPアドレス AND 自分のサブネットマスク

について、ビットごとの論理積をとり、 イコールなら同一ネットワーク、 違っていれば別ネットワークと判断します。

 

別ネットワークならルータへ流します。(win95/98のデフォルトゲートウエイと同じ意味です。)

☆☆☆ ルーティング ☆☆☆

で、ルータは最初に書きましたように、”ルーティング”っていうものをやるんですが、

経路を制御するというのはどういうことかといいますと、、、

IPデータグラム    
-----------→ [Router]
   

IPデータグラムのあて先IPアドレスを見てどう送るか決定しています。

この決定するのに使われるのがルーティングテーブルです。

☆☆☆ ルーティングテーブル ☆☆☆

このように経路制御を行うにはルーティングテーブルを何らかの方法で作らなければいけないのですが、

その方法は2種類あります。

・手作業作成・・・スタティックルーティング
(日経ネットワーク 6月号 P.176 にCCNAの問題があります。
ADD(00/8/12))

・自動作成・・・ダイナミックルーティング

☆☆☆ 経路制御プロトコル ☆☆☆(マスタリングTCP/IP P.209 ADD(00/8/12))

ルーティングの最終目標はあて先IPアドレスを見てどう送るか決定にあります。

では、どうやって決定するのでしょうか?

どういうテーブルがあれば出来るのでしょうか?

その制御方法は2つあります。

@距離ベクトル型(方向と距離)

イメージ (千種〜)
駅名 運賃
名古屋 180円
高蔵寺 ***円
金山 160円

Aリンクステート型(経路図)

(イメージ)

☆千種

大府
--- ---・--- ---・--- ---・--- ----
名古屋
180円
金山
160円



武豊

スタティックルーティングはそのような表や図を手作業で作ってルータはそれを見て経路選択します。

ダイナミックルーティングはプロトコルをやりあって、自動的に行います。

有名どころでは、、

距離ベクトル型はRIP

リンクステート型はOSPF

があります。

RIP( Routing Information Protocol) ☆

RIPでは距離ベクトルのデータベースを作成してルーティングします。

主キーはこうなります。
IPアドレス (ネットワーク番号)
方向 (IPアドレス)
距離 (ホップ数) ADD(00/8/12)

☆ 人間RIPになる前に・・・ちょっと勉強 ☆

[リモートルータ] [リモートルータ]

A

 |

    @|    B  

|A |        

C

・---

-----・

    -www

www-        

・------

-------・

上図のようなネットワークがあります。

ネットワークA(例えば名古屋のLAN)とネットワークC(例えば東京のLAN)をリモートルータWAN回線に接続しています。

このとき、リモートルータWAN側ポート(@、A)にはIPアドレスはいるでしょうか?いらないでしょうか?

こたえは、どっちでもいいです。ダイアルアップで接続する場合は、不要です。

専用線で接続する時には、付けます。その時は、WANを同じネットワーク番号にしておく必要があります。

似たような問題が日経ネットワーク 5月号 P.161 にテクニカルエンジニア(ネットワーク)過去の問題があります。 ADD(00/8/12)

☆ 人間RIPになって、データベースを埋めてみましょう ☆

考える上での条件として、

・クラスCで考える。○.○.○.○と書くべきところをA.と表記する。

・ローカルポートを.1とする。

WANポートは

名古屋の出口を.10

大阪の出口を.20

東京の出口を.30

仙台の出口を.40

・ネットワークは、名古屋のローカルをA、名古屋〜大阪のWANB、名古屋〜東京のWANC

大阪のローカルをD、大阪〜東京のWANE、東京のローカルをF、東京〜仙台のWANG

仙台のローカルをHとする。

 

・---名古屋LAN---・ ・---仙台LAN---・
A.1 H.1
| |
[ルータ(名古屋)] C.10 --- --- ---

-------+

[ルータ(仙台)]
|
B.10 | G.40
| | |
B.20 C.30 |
|
[ルータ(大阪)] E.20 --- E.30 [ルータ(東京)] G.30

-------+

D.1 F.1
| |
・---大阪LAN---・ ・---東京LAN---・

1.直接繋がっているネットワークに対して埋めます。

大阪   名古屋
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A     A A.1 1
B B.20 1 B B.10 1
C     C C.10 1
D D.1 1 D    
E E.20 1 E    
F     F    
G     G    
H     H    
 
東京   仙台
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A     A    
B     B    
C C.30 1 C    
D     D    
E E.30 1 E    
F F.1 1 F    
G G.30 1 G G.40 1
H     H H.1 1

2.RIPは、30秒ごとに自分の経路情報を流します。ここで、大阪の情報を名古屋と東京が受け取ったとしましょう。

大阪の情報は名古屋ではB.20ポート、東京ではE.20ポートから送られてくるので【方向】はそのポート番号になり、距離は1足されます。

大阪   名古屋
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A     A A.1 1
B B.20 1 B B.10 1
C     C C.10 1
D D.1 1 D B.20 2
E E.20 1 E B.20 2
F     F    
G     G    
H     H    
 
東京   仙台
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A     A    
B E.20 2 B    
C C.30 1 C    
D E.20 2 D    
E E.30 1 E    
F F.1 1 F    
G G.30 1 G G.40 1
H     H H.1 1

3.同様に名古屋→大阪(B.10から出力)、東京(C.10から出力)も考えましょう。入力すべきベクトル情報がすでに書かれていた場合は、距離数を比較して小さい場合のみ書き換えます。

大阪   名古屋
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A B.10 2 A A.1 1
B B.20 1 B B.10 1
C B.10 2 C C.10 1
D D.1 1 D B.20 2
E E.20 1 E B.20 2
F     F    
G     G    
H     H    
 
東京   仙台
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A C.10 2 A    
B E.20 2 B    
C C.30 1 C    
D E.20 2 D    
E E.30 1 E    
F F.1 1 F    
G G.30 1 G G.40 1
H     H H.1 1

 

4.仙台→東京(G.40から出力)

大阪   名古屋
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A B.10 2 A A.1 1
B B.20 1 B B.10 1
C B.10 2 C C.10 1
D D.1 1 D B.20 2
E E.20 1 E B.20 2
F     F    
G     G    
H     H    
 
東京   仙台
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A C.10 2 A    
B E.20 2 B    
C C.30 1 C    
D E.20 2 D    
E E.30 1 E    
F F.1 1 F    
G G.30 1 G G.40 1
H G.40 2 H H.1 1

5.東京→大阪(E.30から入力)、名古屋(C.30から入力)、仙台(G.30から入力)

大阪   名古屋
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A B.10 2 A A.1 1
B B.20 1 B B.10 1
C B.10 2 C C.10 1
D D.1 1 D B.20 2
E E.20 1 E B.20 2
F E.30 2 F C.30 2
G E.30 2 G C.30 2
H E.30 3 H C.30 3
 
東京   仙台
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A C.10 2 A G.30 3
B E.20 2 B G.30 3
C C.30 1 C G.30 2
D E.20 2 D G.30 3
E E.30 1 E G.30 2
F F.1 1 F G.30 2
G G.30 1 G G.40 1
H G.40 2 H H.2 1

☆ デフォルトルーティング ☆

ダイナミックルーティング、スタティックルーティングとは別にデフォルトルーティングというのがあります。
(スタティックルーティングの一種です。ADD(00/8/12)

これは、Win95/98で設定するデフォルトゲートウエイと同じ意味で、ルーティングテーブルを持たないルータです。

では、実際そのようなルータはあるのでしょうか?

上のRIPの経路表を作成した時の仙台を思い出してください。

情報としては自分のLANへのポートか、WANへのポートのどちらかです。このような場合は安価なこのルータで十分なのです。

☆ ネットワークにトラブルが発生したら? ☆

RIPでは、30秒に1回ルータ同士情報を交換し合っています。何かの事情で交換し合えなくなれば、

4回(30秒×42分間)交信出来なければ切断されたと見てテーブルが変わります。

上のネットワークで大阪〜東京のネットワークEにトラブルが発生したとしましょう。

RIPのテーブルはどうなりますか?

大阪   名古屋
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A B.10 2 A A.1 1
B B.20 1 B B.10 1
C B.10 2 C C.10 1
D D.1 1 D B.20 2
E(切断) E.20 1 E(切断) B.20 2
F B.10←E.30 3←2 F C.30 2
G B.10←E.30 3←2 G C.30 2
H B.10←E.30 4←3 H C.30 3
 
東京   仙台
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
IPアドレス
(ネットワークアドレス)
方向
(Next Hop)
距離
(ホップ数)
A C.10 2 A G.30 3
B C.10←E.20 2 B G.30 3
C C.30 1 C G.30 2
D C.10←E.20 3←2 D G.30 4←3
E(切断) E.30 1 E(切断) G.30 2
F F.1 1 F G.30 2
G G.30 1 G G.40 1
H G.40 2 H H.1 1

Sコース6回目のテーブルの「方向」の内容が違うわけ ☆

2つのテーブルを見比べると分かると思いますが、Sコースのノートには「方向」として出て行くポートのアドレスが記入されているのに対して、このノートでは次のルータの入力ポートが記入されています。

理論上、どちらでも構わないのですが、しくみから考えると、RIPは

アプリケーション RIP
トランスポート UDP
インターネット IP

の構造ですから、あて先IPアドレスと送信元IPアドレスの情報を持っています。

30秒に1回流れる経路情報はブロードキャストなのであて先IPアドレスは全ビット1(255.255.255.255)なのに対して、送信元IPアドレスは固有ものです。ですから、この送信元IPアドレス情報を取っているはずなので、通常はこうなります。

☆ OSPF( Open Shortest  Path Fast ) ☆(マスタリングTCP/IP P.211 ADD(00/8/12))

OSPFはリンクステート型のルーティングプロトコルで(日経ネットワーク6月号P.178)のAのようなマトリクステーブル(トポロジマップという)を持っています。

RIPは、ホップ数で経路選択をしていました。(通るルータの数が少ないほど距離が短くて速いでしょ?)

OSPFでは、経路に重みをつけて、重みの小さいものを使います。この重みのことをメトリック(METRIC)と言います。

例えば、、、。

(A) -- 専用回線 -- (B)
     
    〜ISDN〜    

このような、ネットワークを考えてみましょう。

A〜Bを接続する場合、通常では専用回線(定額制なので、なんぼ使っても払う金は一緒)を使用して、ISDNは従量制なので使いたくない。

その場合は、専用線の重みを1、ISDNの重みを10などにして、専用線の優先度を高くします。

名古屋の路線マップで考えてみます。

千種 --
| |

|
--- 名古屋 -- 金山
  千種 金山 名古屋
千種   1 200 1 150 0
1 200   1 230 1 200
金山 1 150 1 230   1 160
名古屋 0 1 200 1 160  

※表中の左の数値は、直接結ぶ経路があれば1、無ければ0とします。右の数値はその区間の運賃とします。

これらの駅をルータとして考えてみましょう。

名古屋〜千種では、栄経由でも金山経由でもホップ数は2で同じですが、重み(運賃)を考慮すると金山経由の方が310円で安くなります。

栄経由:200+200=400 金山経由:150+160=310  で金山経由を選びましょう。

EGPs と IGPs(マスタリングTCP/IP P.204) リンク

世界中のルータで30秒に1回経路情報をやりとりすると、インターネットはRIPだらけになってしまいます。

そうならないために・・・

マスタリングTCP/IP P.205の図を郵便システムに置き換えて考えてみましょう。

            〒4xx-xxxx            
          +--
|
|
名古屋中央局

(・・局)
--+
|
|
         
          | (・・局) |          
          |
+--

------------
|
--+
         
                     
  〒5xx-xxxx               〒1xx-xxxx  
+--
|
|
大阪中央局

(・・局)
--+
|
|
              +--
|
|
東京中央局

(・・局)
--+
|
|
| (・・局) | -- -- --- ------------ --- -- -- | (・・局) |
|
+--

----------
|
--+
              |
+--

----------
|
--+

AS(自律システム)・・・大阪なら大阪の管区でにらんでいる範囲

大まかなルーティング(EGP(s))

郵便局番号の頭が5なら大阪に送りましょう。

AS内のルーティング(IGP(s))

大阪間区内の発送

※郵便番号で例をとりましたが、IPアドレスでも同じことです。

(最初の8ビットを見て、100と書いてあれば、東京中央のASに送りましょう・・・という仕掛け)

☆ エリアの概念 ☆(マスタリングTCP/IP P.213)リンク

リンクステート型は、ネットワークが大きくなるとトポロジカルデータベースが大きくなり、経路情報の計算が大変になります。OSPFでは計算の負荷を軽減するため、エリアという概念が取り入れられています。

自律システム(AS)内でOSPFする時にも、EGP(s)と同じようなことをしています。

千種ルータは名古屋市内の情報だけを管理して、それ以外なら名古屋ルータに流してあとは任せる。

☆ 今日のポイント ☆

今日は、マスタリングTCP/IPでいうところのP.202〜P.212P.218 00/8/12 chengeをやりました。

その中で,

6.3 経路制御アルゴリズム

6.3.1 距離ベクトル型

経路制御情報が安定するまでに時間がかかったり・・・(→経路の収束という)(P.206)

ルータの情報が必ず異なります(P.207)

6.5 RIP

6.5.1 経路表をブロードキャストする

RIP・・・ブロードキャスト、30秒周期、4回(120秒)待っても来ない場合は切れたと判断。(P.208)

6.5.3 RIPの注意点

RIPの制約・・・ホップ数が16以上のネットワークでは利用できない。

6.6 OSPF

6.6.1 OSPFはリンク状型のルーティングプロトコル

OSPFでは各リンクに重みを付ける事ができ、この重みが小さくなるように経路を選択されます。

OSPFではこの重みのことをメトリックと呼びます。

RIPの場合は通過するルータの数が少ない方をパケットが通りますが、OSPFではメトリックの小さい方を通ります。

☆ 今日の一言 ☆ 昨日の運勢安心計画

語呂合わせ。頭にとどめておいて下さい。

昨日の 機能性
運用性
性能
安全性
信頼性
経済性
拡張性

午後の問題ではこの7つを意識して回答を作りましょう。

Tomのネットワーク勉強ノート
 iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾講義ノート 
   Aコース(全12回) 
     3回目---基礎3(OSI 第3層) 
    資格試験関連書
『ネットワークスペシャリスト』
 
セキュリティ・ウイルス対策関連書

秋に向けて!

送料無料!