過去問演習1/TCP 
iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾 Aコース 6回目 講義ノート)

最終更新日 2006/05/02
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 iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾講義ノート 
   Aコース(全12回) 
     6回目---過去問演習1/TCP 

iTAC塾講義ノート

コース名

テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾Aコース6回目(名古屋)

講師

mitsu先生

日時

2000年7月9日

9:30〜16:30

場所

名古屋市昭和生涯学習センター

内容

TCP/過去問演習1

(概要)

今回の講義は、

前回の実機実習の補習として、tracertの表現について述べ、
TCP、UDPの働き(プログラムの識別、ウインドウ制御、フロー制御、コネクション管理)
について講義がありました。
午後からは、TCPコネクションについてのDump解析の机上演習を行ってから、
過去問題(午後)の解答方法について説明し、実際に解答を作ってみました。

以下にその内容をまとめます。


(補習 tracertのしくみについて)

前回の実習では、tracertにより、ルーティング経路を表示させてみました。 リンク

tracert ターゲットPC IPアドレス (日経ネットワーク7月号 P.86,87)

このようなコマンドで表示させていましたが、どうやって表示させているのでしょう?

IPの場合、このようなデータグラムで構成され、IPデータの中には上のプロトコルのデータが入っています。

 IPヘッダ(20オクテット) 

      IPデータ                       

                                                      
☆TCPの場合  TCPヘッダ   TCPデータ  
 

 

☆ICMPの場合  ICMPヘッダ ICMPデータ 

 ICMPのメッセージ形式一般はこのようになっています。

0           3 4         7 8               15 16  18 19  23 24       31   IPヘッダ  
バージョン ヘッダ長 サービスタイプ パケット長
識別子 フラグ フラグメントオフセット
生存時間(TTL) プロトコル ヘッダチェックサム
送信元IPアドレス
あて先IPアドレス
オプション パディング
ICMPタイプ コード チェックサム IPデータ ICMPヘッダ
ICMPデータ ICMPデータ

pingでは、この中のタイプコードを00:応答 08:要求で使用していました。

tracertはこのpingのTTL(Time To Live:生存時間 ADD(00/8/12)) を利用しています。(日経ネットワーク7月号 P.87 図11)

pingは、ルータはTTL=0になると、「時間超過メッセージ」を返信します。

つまり、最初TTL=1でICMPを流すと、最初のルータでTTL=0になり、ルータは送信元PCに

送信元IPアドレス:ルータのIPアドレス、あて先IPアドレス:tracert命令を出したPCのIPアドレス

として、ICMPメッセージを出します。

これをTTL=2,3,4と増やしながら、経路情報を作っていきます。

(日経ネットワーク7月号 P.70ADD(00/8/12))

☆ pingについて ☆

ping IPアドレスで接続確認が出来ます。

ECHO Request を出すと、相手PCはECHO Replyを返します。windowsでは標準で4回(2往復)繰り返します。

名古屋Aコース2回目のダンプ解析を使って見てみましょう。

パケット6〜9

パケット 命令 タイプ(Hex) コード チェックサム 識別子 シーケンスNO
6 ECHO Request 08 00   0200 0100
7 ECHO Reply 00 00   0200 0100
8 ECHO Request 08 00   0200 0200
9 ECHO Reply 00 00   0200 0200

pingの部分を取り出すとこのようになっています。

識別子は1セット4回分は固定です。

シーケンスNO.はこのようにインクリメントされます。(今回はたまたま要求と応答のシーケンスNO.が同じでしたが普通は違います

内容修正: ネットワーク掲示板にて指摘していただきました。ありがとうございます。00/8/12

pingのやりとり。

>windowsでは標準で4回(2往復)繰り返します。

2往復ではなく、4往復のようです。

名古屋Aコース2回目のダンプ解析を見ても、

6:要求、7:応答、8:要求、9:応答、10:要求、11:要求、12:応答

となってました。

10の応答が無いのは、パケット採取の際,10のあとにケーブルを抜いてようです。

だから、要求を送ったが、規定時間(*)以内に応答が帰ってこなかったのです。
画面表示のRequest timed outです。

要求は、応答の有無に関わらず定期的(windows9xは1秒毎)に送ります。
ICMPは、ウインドウ制御や再送処理はしません。

>要求と応答のシーケンスNO.が同じでしたが普通は違います。

→要求と応答のシーケンスNO.は普通は同じです。
ECHO Replyの識別子、シーケンスNO 、データはECHO Requestと同じものを返します。

PC1  PC2
----> ICMP Echo Request、識別子=0200、シーケンスNO=0100、データ=abcdefg・・・・・ ---->
<---- ICMP Echo Reply  、識別子=0200、シーケンスNO=0100、データ=abcdefg・・・・・ <----

                                        


(TCP/UDP(マスタリングTCP/IP P.167)

☆☆☆ トランスポート層の役割 ☆☆☆ (マスタリングTCP/IP P.168)

今回まで講義、実習で第三層まで勉強してきました。

通常、コンピュータでは、複数の通信プログラムを動かすことが出来ます。

<IP>

(PC)       (web上のHTTPサーバ)
|       |
・---- --- インターネット ---

----------・

エンドtoエンドはネットワーク層(インターネット層)が面倒をみます。

(隣のコンピュータまではデータリンク層が面倒をみます)

しかし、サーバ側もHTTPだけでなく、ftp、SMTPなどいろんなプログラムが動いています。

PCでも、Outlook Express 、Internet Explore、 などが動いています。

IPは相手先まで届けるけど、どのプログラムかは関知していません。

TCP/UDPが面倒を見ます。

TCP/UDPではそれを識別しなければなりません。これがTCPポート番号です。

☆☆☆ ポート番号 ☆☆☆ (マスタリングTCP/IP P.170)

例えば、iTACのHPに繋げたいとしましょう。
これは、日本だけでなく、アルゼンチンからでも自由にitac.gr.jpにつなげられなくてはいけません。
よって、よく使うポート番号はあらかじめ決めておかなければなりません。
それらの番号をウエルノウンポート番号(Well known port number)と言います。

 ウエルノウンポート番号 ftp:20,21、http:80 SMTP:25 など・・・(マスタリングTCP/IP P.174)

☆☆☆ TCPとUDPの概要 ☆☆☆ (マスタリングTCP/IP P.169)

TCP/IPでトランスポート層の機能を果たす代表的なプロトコルには「TCP」と「UDP」の2つがあります。

TCP (Transmission Control Protocol) (マスタリングTCP/IP P.195)

コネクション型。自前にコネクションを確立します。
水道のホースのように切れ目の無い通信を提供します。
信頼性が高く、順序制御や再送制御など多くの機能を持ちます。

送信元ポート番号 あて先ポート番号
シーケンス番号
確認応答番号
データオフセット 予約 コードビット ウインドウサイズ
チェックサム 緊急ポインタ
オプション パディング
データ
図 TCPセグメントフォーマット
 (マスタリングTCP/IP P.195)

UDP (User Datagram Protocol) (マスタリングTCP/IP P.193)

「とりあえず送ってしまえ!」相手PCの電源がOFFでも送ってしまいます。
相手に投げて終わりなので、信頼性はありません。
データ壊れてたとか細かい処理は上のプロトコルが面倒をみることによって簡単な構造になっています。

送信元ポート番号 あて先ポート番号
パケット長 チェックサム
データ
UDPデータグラムフォーマット
 (マスタリングTCP/IP P.193)

この2つのフォーマットを見比べてもいかにUDPヘッダの方が簡単かわかりますね。

☆☆☆ TCP( Transmission Control Protocol) ☆☆☆ (マスタリングTCP/IP P.178)

☆ TCPの目的と特徴 ☆(マスタリングTCP/IP P.178)

TCPではチェックサムやシーケンス番号と確認応答、再送制御、コネクション管理、ウインドウ制御など
により信頼性のある通信を実現しています。

☆ シーケンス番号と確認応答で信頼性を提供 ☆(マスタリングTCP/IP P.179)

TCPでは肯定確認応答で信頼性を実現します。
データを送信したホストは、データの送信後に確認応答を(一定時間)待ちます。
もし、確認応答されなければ、データが喪失した可能性があります。

図 送信パケットが喪失した場合

図 確認応答が喪失した場合

ホストB側は、確認応答喪失により、Aからの同じデータが2回届くと、
2回目のは破棄します。

送信側は、確認応答がされないと再送します。
ただし、確認応答の待ち時間を2,4倍と指数関数的に増やしていきます。

それでもだめなら異常終了を通知します。

(TCPはコネクション型なので勝手にやめれません。
「何回も試みたけどダメでした」と報告する必要があります)

☆ ウインドウ制御で速度向上 ☆(マスタリングTCP/IP P.184)

図 1パケットごとに確認応答する

TCPでは、信頼性は高いですが、何かを送って返事を待って・・・
と効率は悪いです。ここで、効率を上げるために出てきたのがウインドウ制御です。

図 スライディングウインドウ方式で、並列処理

図のように、1セグメント単位ではなく、もっと大きな単位で確認応答すると、
転送時間が大幅に短縮されることが分かると思います。

確認応答を待たずに送信できるデータの大きさをウィンドウサイズといいます。

ウィンドウですから、窓を覗くようなイメージです。(マスタリングTCP/IP P.185 図5.12)

データを送る際には、

「送るよ」

「いいよ!」

「ウィンドウサイズは 10です!」

「こっちのウィンドウサイズは5です」

「じゃあ、5で行きましょう」

最初のネゴシエーションでこのやりとりもしています。

☆ スライディングウィンドウ制御 ☆

ここで 送信側の立場になって考えて見ましょう。

ウィンドウサイズが3で、A→Bにデータを送信する場合、

まず、データ@,A,Bと送信します。

ここで一杯になったので、Bから@の確認応答を待ちます。

確認応答が来たら、送信側にとって@のデータを持っておく必要がないから、
捨てて一つずらしてCを送れます。

このように、ウィンドウ枠をずらしていくのでそう呼ばれます。

この順次複数のセグメントを並列的に送信して通信性能を
向上させる仕組みをスライディングウィンドウ制御といいます。

☆ ウィンドウ制御と再送制御 ☆(マスタリングTCP/IP P.186)

もし、送信したセグメントが失われたらどうなるでしょう?
確認応答が無くなったら?

確認応答が無くなっても、ウインドウ制御ならOKです。

上の図で考えてみましょう。

1〜1000の送信に対する確認応答が失われました。

しかし、1001〜2000までの確認応答は届きました。

そうすると、送信側は、1001〜2000の確認応答で、1〜1000と1001〜2000の

両方OKとして判断します。それは、1〜1000を相手が受け取っていないと、

1001〜2000は受け取れないからです。

行きのデータが失われたらどうなるでしょう?

上の図のように1001〜2000のデータが失われたとします。

新しいデータを送りつづけても、受信側は「1001〜2000のデータをくれ!」と言いつづけます。

それはまるで「私の受信したいデータは1001からのデータです。他のデータではありません。」

と言ってるみたいですね。送信側はそれを3回聞くとデータが失われたと判断して再送します。

3回待っても、タイムアウトによる再送制御よりも速いので、高速再送制御と呼ばれます。

☆ フロー制御(流量制御) ☆(マスタリングTCP/IP P.188)

バッファサイズをコントロールして、フローをコントロールします。

1〜1000、・・・、3001〜4000と送りつづけますが、4001からは受信が一杯になって送れなくなります。

そのなりますと、一旦送信をやめ、一定時間おきにウィンドウプローブを送り、

「ウィンドウサイズ、いくつ残ってる?」と確認します。

それで、OKならまた送信を始めます。

☆ コネクション管理 ☆(マスタリングTCP/IP P.181)

TCPでは、これらのコードビットでコネクションを管理しています。
(マスタリングTCP/IP P.196)

URG  
ACK コネクション中は常に1
PSH  
RST  
SYN コネクション確立用。
コネクションを確立したい!の意思表示に使用。
FIN コネクションの切断用。
コネクションを切断したい!の意思表示に使用。

相手からFIN=1が来ても、こっちがまだ送りたいときは送ってもいいです。

「もう話したいことは無くなったし、終りたいねんけど・・・」

と言われても、

「いや、まだしゃべりたいことはある!」

と続けてもいいわけですね。

☆ コネクションの確立 ☆(これは午後問題のレベルですので覚えておきましょう)

AとBはコネクションが貼られていない状態で。

@AからBに「話したいねんけど・・・」

   (A to B) SYN=1、ACK=0(このときに限り)

ABからAに「うん、ええで。こっちもしゃべりたいことあるし・・・」

   (B to A) SYN=1ACK=1

BAからBに「じゃあ、話しましょう」

  (A to B) ACK=1

これで、コネクションは確立できました。

@のSYN=1に対するAのACK=1、AのSYN=1に対するBのACK=1はペアで考えましょう。

このように、@ABでコネクションが確立することから、

3way Handshake と言います。

☆ コネクションの切断 ☆

AとBにコネクションが貼られた状態で。

@AからBに「そろそろ話を終えたいね」

 (A to B) FIN=1、ACK=1

ABからAに「うん、分かった。でももうちょっとしゃべりたい」

 (B to A) ACK=1 (しゃべりつづける時は FIN=1にしない)

・・・・しばらくBはAにしゃべりつづけて・・・

B BからAに「いいたいことはこれで全部。じゃあ、そろそろ終わろうか」

 (B to A) FIN=1、ACK=1

C AからBに「うん、終わろう」

 (A to B) ACK=1

これで、コネクションは切断できました。

ACKビット、FINビット、SYNビットは覚えましょう。


(16進数のダンプ結果を利用した机上演習)

テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾Aコース第6回演習問題

No.  Hex-Dump
パケット6 00000E8A5E360000-F43A328108004500 0030360040008006-23ADD2F850D5D2A1
AAAB0404006E0002-3F42000000007002 20007E4E00000204-05B401010402
パケット7  0000F43A32810000-0E8A5E3608004500 002CA67A00003006-4337D2A1AAABD2F8
50D5006E04043D48-77E400023F436012 7FE07E3700000204-05B40000
パケット8  00000E8A5E360000-F43A328108004500 0028370040008006-22B5D2F850D5D2A1
AAAB0404006E0002-3F433D4877E55010 2238F39C00000000-00000000
 

(中略)

パケット132 0000F43A32810000-0E8A5E3608004500 0028A6CC00003006-42E9D2A1AAABD2F8
50D5006E04043D48-7CB900023F7F5011 7FE090E300000000-00000000
パケット133 00000E8A5E360000-F43A328108004500 0028780040008006-E1B4D2F850D5D2A1
AAAB0404006E0002-3F7F3D487CBA5010 1D64F35F00000000-00000000
パケット134 00000E8A5E360000-F43A328108004500 0028790040008006-E0B4D2F850D5D2A1
AAAB0404006E0002-3F7F3D487CBA5011 1D64F35E00000000-00000000
パケット135 0000F43A32810000-0E8A5E3608004500 0028A6CD40003006-02E8D2A1AAABD2F8
50D5006E04043D48-7CBA00023F7F5010 7FDF90E300000000-00000000

 Dump解析の方法は、Aコース2回目で確認してください。

今回はTCPセグメント内の0000部のみ取り上げます。

TCPセグメントのフォーマットは前に書きましたように、

送信元ポート番号 あて先ポート番号
シーケンス番号
確認応答番号
データオフセット 予約 コードビット ウインドウサイズ
チェックサム 緊急ポインタ
オプション パディング
データ
図 TCPセグメントフォーマット
 (マスタリングTCP/IP P.195)

です。

結果を表にまとめるとこのようになります。

パケット 送信元
ポート番号
あて先
ポート番号
シーケンス
NO.
確認応答
NO.
データ
オフセット
予約
(binary)
コードビット
(binary)
URG ACK PSH RST SYN FIN
6 0404
(=1028)
006E
(=110:POP)
00023F42 00000000 7 000000 0 0 0 0 1 0
7 006E 0404 3D4877E4 00023F43 6 000000 0 1 0 0 1 0
8 0404 006E 00023F43 3D4877E5 5 000000 0 1 0 0 0 0
                         
132 006E 0404 3D487CB9 00023F7F 5 000000 0 1 0 0 0 1
133 0404 006E 00023F7F 3D487CBA 5 000000 0 1 0 0 0 0
134 0404 006E 00023F7F 3D487CBA 5 000000 0 1 0 0 0 1
135 006E 0404 3D487CBA 00023F7F 5 000000 0 1 0 0 0 0

・コード番号に注目してください。
 パケット6〜8では、午前中に勉強しました3WayHandshakeのやり取りをしています。

 パケット132〜135では、同じように通信の切断手続きのやり取りをしているのが分かると思います。

・シーケンスNO.と確認応答NO.の関係に注目してください。
 受け取ったら、次の番号を要求してますね。

 ただし、パケット133、パケット134ではシーケンスNO.が加算されていないのを注意しましょう。

・これは、TCPポート番号を見てわかるように、POPによるメール受信手続きのDumpです。

 6〜8で、POPサーバに接続手続きを行い、132〜135で、POPサーバの方から「データが無いよ」

と言っています。


(試験技術)

過去問対策に入る前に、解き方について勉強しました。

全体について、午後1の解き方については、

Sコース7回目

午後2については、

Sコース10回目

と重複していますので、そちらを参考にして下さい。


(平成7年 午後1 問3)

問題本文へのリンク

設問1

(a)で述べられている内容に関して、次の各問いに答えよ。

(1)ここで述べられているルーティングの方法を一般に何と呼ぶか、15字以内で述ベ
よ。

まず、(a)の内容を見てみましょう。

(a)拠点1、2、3間はWANを環状に構成し、クライアント側ルータR2、R3がサーバ側
ルータR1a、R1bと2通りの経路で接続が可能なようにする。これらのルータは定期的に
ルーティング情報を交換しており、一方の経路に障害があった場合には、他方の経路を
自動的に選択する。拠点1、2間の通信を例にとると、平常時の通信はR2、R1aを経由
するが、R1aが障害の場合にはR2、R3、R1bを経由する。

・定期的にルーティング情報を交換
・障害があった場合には、他方の経路を自動的に選択

→ダイナミックルーティングですね。

(解答)  ダイナミックルーティング(13)

(2)"経路の切替えが行われたとき、S1aとC2の通信は可能だが、C1のルーティング機
能からみて、C1とC2の通信が不可能となる"という指摘があった。 この原因を推定
し、C1とC2の通信が不可能となる理由30字以内で述べよ。

R1aが切断されたと考えます。(ADD 00/9/15)

クライアント機は自分のネットワークで無ければデフォルトゲートウェイに投げるのが一般的である。

デフォルトゲートウェイは1つのアドレスしか設定できず、その行き先のルータに障害が発生しても、

迂回できない。

(解答)  C1からC2への経路がデフォルトルートとして固定されている為(30)

(3)図2で示されている拠点1のLAN構成を変更することで、(2)の不具合を回避した。
その変更点とは何か。図2との違い30字以内で述べよ。

・何を問われてるかをしっかり確認しましょう。(何を問われているかにマーキング!)

違いを問われています。

C1からR1a、R1bとの振り分けが出来ないのが問題。
経済性云々と書いてないので、ルータを追加すればいいでしょう。

C1
|
・-- --- --- -・
|
新R
|
・- --- --- --- -・
| |
R1a R1b

これで、C1はデフォルトゲートウェイで新Rに投げつけて、

ルータルータなので、障害時には切り分けが出来る。

もし新ルータが故障したら・・・とも考えられるが、それは問題を問題視することになるので
やめましょう。

また、「デフォルトゲートウェイと追加する」という解答も考えられますが、

LAN構成を変更することで・・・と書いてあるのでその解答は適切でないでしょう。

(解答)  C1を別LANにして、拠点1の従来LANと接続させる。(27)

設問2

(b)で述べられている内容に関して、次の各問いに答えよ。

(1)"PING"の発信は、サーバの切替え上重要な意味をもつ。"PING"の発信をC1に
対して省略したところ、C1からS1bへの接続が一定時間できなくなった。その理由
30字以内で述べよ。

・何を問われてるかをしっかり確認しましょう。(何を問われているかにマーキング!)

理由を問われています。

”PING"をキーワードの周りの情報を集めましょう。

・S1とS2のIPアドレスが同じ
・MACアドレスは別
・待機系のサーバが立ち上がると自動的に”PING"を発信

もし、サーバが障害を起こしても、PC内のARPキャッシュには一定時間情報を保持てしています。

問題には「接続が一定時間できなくなった。」と書いています。何らかの接点があるのでしょう。

PINGでIPアドレスとMACアドレスの情報を得ることが出来ます。
それと同時に、ARPキャッシュも書き換えてくれます。

つまり、PINGを発信しないとARPキャッシュが一定時間保持します。それが消えると情報を取りに行くから、
待機系サーバのMACアドレスの情報になります。

(解答)  サーバS1aのMACアドレスを一定時間保持していたため(27)

(2)別のLAN上の機器(例えばC2)に対しても"PING" を発信する必要があるかどう
かを判断し、その要否理由とともに40字以内で述べよ。

・何を問われてるかをしっかり確認しましょう。(何を問われているかにマーキング!)

要否理由を問われています。

PINGでIPアドレスとMACアドレスのペアで更新できるのは自ネットワーク内でした。
(DEL 00/9/15)

別LANでは、不要ですね。

(解答)  別ネットワークと通信をする場合、ルータのMACアドレスが必要なため不要(35)

☆☆☆ 名古屋A6回目の講義はここまででしたが、切りが悪いので7回目の講義である設問3もこの中でまとめます。 ☆☆☆

設問3 

(c)、(d)で述べられている内容に関して、次の各問いに答えよ。

(1)図2のR1bとR3間、R3とR4間の専用線について、月額使用料の合計値を求めよ。

料金計算です。月額使用料を問われています。 →付表10

R1b - R3

専用線
速度 128kbps
距離 269km
から、360kmまで 445,000円
DSU 1,700円 × 2

合計で 445,000+1,700×2 = 448,400円

※ あとでチェックできるように拾った数字には単位を付けておきましょう。

R3 - R4

専用線
速度 64kbps
距離 138km
から、140kmまで 218,000円
DSU 1,700円 × 2

合計で 218,000+1,700×2 = 221,400円

2回線の合計で 448,400 + 221,400円 = 669,800円

(解答)  669,800円

(2)図3のR1bとR4間、R3とR4間の専用線について、月額使用料の合計値を求めよ。

R1b - R4

専用線
速度 128kbps
距離 150km
から、160kmまで 340,000円
DSU 1,700円 × 2

合計で 340,000+1,700×2 = 343,400円

R3 - R4

専用線
速度 128kbps
距離 138km
から、140kmまで 335,000円
DSU 1,700円 × 2

合計で 335,000+1,700×2 = 338,400円

2回線の合計で 343,400 + 338,400円 = 681,800円

(解答)  681,800円

(3)図2においてR3とR4間の"専用線のあふれ"が平日(月20日とする)の17:00
17:30に限り常に発生すると仮定する。図2のISDNサービスの月額料金(月額使
用料+通信料金)を求めよ。また、図2と図3のどちらの案が回線利用料金上有利か
を、10字以内で述べよ。

ISDNの問題。

問題の中に80%を超えると・・・とか、60%以下になると・・・とか書いてますが
l今回はこの数字を使いません。設問の中に、常に発生すると書いてあります。

R3 - R4

ISDN
距離 138km
時間 17:00〜17:30の30分間
月    20日間

☆ここで、ISDNについて午前問題レベルの話を復習しておきましょう。

ISDNには、

・基本インターフェース           (2B+D) B:64kbps , D:16kbps
・一次群速度インターフェース (23B+D) B:64kbps , D:64kbps

がありました。また、2Bをまとめて1本として使うことも出来ました。

これをバルク転送といいます。(用語として覚えておきましょう)

B × 6 → 384kbps H0 

今回は1回線(64kbps)と書いてあるので、基本インターフェースでいいでしょう。

付表5、付表6が必要です。

※専用線はホットラインなので、どれだけ使っても同じ値段でしたが、ISDNは電話と
同じなので、使った分だけお金が取られます。

表5 月額使用料 

基本料 3,630円
DSU    1,700円
屋内配線 60円

3,630 + 1,700 + 60 = 5,390円 (・・・この数字はここ数年変わっていないので覚えておいてもいいでしょう)

これが2拠点なので、5,390 × 2 = 10,780円

付表6 ISDNの通信料金

デジタル通信モードB、昼間、160kmまで

↑ 30 ×60 / 13 ↑ × 10 × 20 = 27,800円

月額料金は、

10,780 + 27,800 = 38,580円

さて、図2と図3でどっちが高いでしょう?

拠点1⇔拠点2 、 拠点2 ⇔ 拠点3 は図2も図3も同じです。

その他が違いますが、それは1)、2)、3)の前半で求めてます。

図2:
669,800 + 38,580 = 708,380円

図3:
681,800円

よって、図3の案の方が料金上有利ですね。

(解答) 

月額料金 38,580円
図3の案の方が有利(9)

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