テクニカルエンジニア（ネットワーク）過去問 平成16年　午後1　問1　解説

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【 イ 】【 ウ 】
　【 イ 】と【 ウ 】は近いところにあるので、一緒に考えて見ましょう。
　〔移行期間における検討〕に対するU君の発言です。
　　>GSとPCが1対1で通信する【 イ 】キャストフレーム
　　>GSからすべてのPCに通知される【 ウ 】キャストフレーム
　並べて書いてみると分かりますように、【 イ 】と【 ウ 】は対になっていますね。
　では、それぞれ何が入るでしょう？

　”１：１”はユニキャストですね。 ”全ての”はブロードキャストでした。
　一般用語ですので、ぜひ覚えておきましょう。

【 エ 】
　先ほどのU君の発言の続きです。
　　>送信元MACアドレスに続く2バイト長の【 エ 】フィールドの値によって,独自プロトコルを指定する
　ブリッジでフィルタする方法として、MACアドレスで行う以外にこういう案もありますよ。
　と話しています。

　イーサネットフレームを見てみましょう。
マスタリングTCP/IP P.73　

　この中のどのフィールドで上位層のプロトコルを指定できるでしょう？
　問題文に"送信元MACアドレスに続く2バイト長の"と書いてあるとおり、タイプフィールドですね。

こちらの穴埋めですね。
【 a 】を見てみましょう。

表1で示されたようなU君のIPアドレス割当て案に対してのT氏の反応ですね。
>T氏：それではだめだ。ネットワークアドレスについては,先頭から2バイト目を本
>　　社や拠点の各場所に対応させて割当てを行い,サブネットマスクについては, 
>　　255.255.【 a 】.0を通信事業者に申請しなさい。

U君は3バイト目を各場所に対応させていたのに対して、T氏は2バイト目を対応するように言っています。
この場合のサブネットマスクはどうなるでしょう？
分からない場合は、T氏案の通り割当てをまとめてみましょう。

表1’　ネットワークアドレスの割当て（T氏君の案）

これでわかりますね。 サブネットマスクは 255.255.0.0です。

何を問われているかにチェック！ 理由を問われています。
これはまず、 DHCPリレーエージェントの意味が分からないと解けませんね。

DHCPは、DHCPサーバからIPアドレスを付与してもらう時に使用しました。
この時、DHCPサーバへはブロードキャストのパケットを出し、それに対して、DHCPサーバが答えます。
”ブロードキャスト”ということは、ルータを越えません。これはいいですね？
ということは、同じネットワーク内であればDHCPサーバが答えてくれますが、ルータを越えた
別ネットワークの場合は、パケットがDHCPサーバに到達しないため答えてくれません。
そこで出てくるのがDHCPリレーエージェントです。字のごとく、DHCPサーバが別ネットワークにあっても、
リレーしてくれる代理人さんです。これにより、たとえ別ネットワークにDHCPサーバがあってもIPアドレスは
付与されます。

参考：

この設問で問われているのは、DHCPリレーエージェントに通信を中継させなければならない理由
であり、DHCPで使用されるパケットに着目してと但し書きがされているので、その当たりに注意して、
解答を作ってみましょう。

DHCPのパケットはブロードキャストであり、ルータを越えることができないため(38)
13文字削って、
DHCPはブロードキャストで、ルータを越えれない為(25)

拡張性といえば、ネットワーク機器（PC,ルータなど）の増設や、ネットワークの増設です。
それぞれについて考えて見ましょう。
・ネットワーク機器の増設
　U君の案では、各場所で何台のネットワーク機器にIPアドレスを割り当てることが出来るでしょう？
　8ビット分ですから、256-2 = 254台ですね。
　各場所に何台のネットワーク機器があるかが明記されていませんので、判断しにくいですが、
　ホストアドレス部が16ビットになると、65534台まで割り当てることが出来るので、
　例え100台レベルの増設に対しても、柔軟に対応できそうです。

・ネットワークの増設
　本文の中では、各場所での組織について、明記されていませんが、実社会から考えると、
　部や課に分かれているのでしょう。それぞれについて、最初は同じネットワークでよくても、
　いづれは別ネットワークにする必要が出てくるかもしれません。
　その時に、各場所で設定できる部分が8ビットしか割り当てられていなけば、自由度が乏しいです。
　よって、各場所での対応を2バイト目で対応させて、各場所内での対応を3バイト目で対応するのが、
　すっきりするでしょう。

現時点では、解答を下記の2つとしておきます。

【 b 】【 c 】

表2 ブリッジのフィルタの内容

注 フィルタリングは,エントリ番号順に実施される。

この表を埋めよ、です。
こういう問題は、極力表内の言葉を使用するのが鉄則です。

表の下の注記に書いていますように、フィルタリングは,エントリ番号順に実施されますから、
エントリ1の条件でのみ中継して、残りのパケットは全て破棄されるよう設定されています。

ではそのフレームを中継するのでしょう？ヒントはすぐ上のU君の発言にあります。

GSとPC間で通信されるフレームは,
�@GSとPCが1対1で通信する【 イ＝ユニ 】キャストフレーム
�AGSからすべてのPCに通知される【 ウ＝ブロード 】キャストフレーム
ですね。�@は拠点のエントリ1で設定できています。
残りは�Aですね。

【 b 】はGS、【 c 】は任意でいいでしょう。

何を問われているかにチェック！ 起きている現象を問われています。
下線�@を見てみましょう。
>このとき,�@ GSは,PCからの要求の二重受付を示すメッセージを表示していた。

問題文に"フレームと経路の二つの字句を用いて"と書いてあります。
このような但し書きは、解答を作るうえで重要なポイントであると同時に重要なヒントになりますので、
見逃さないようにしましょう。

きっと解答は、「△△のフレームが、○○の経路で流れていた」みたいなものになることが
推測できます。この△△と○○が分かれば解けた！ということですね。

下線のように二重受付になっているということは、正規のルートのフレームの他に、思いがけない経路からも
フレームが飛んできてしまったと考えられます。

どのような経路があるかは、図から振り返ってみましょう。

図 R社の移行期間のネットワーク構成

使用する経路は、IP-VPN経由と専用線経由の2種類ですね。

では、どちらが正規経路でどちらが設定ミスから流れた経路でしょう？
〔業務システムの通信の切替え〕の下の行に、
>その後,業務システムの通信をIP-VPN経由に切り替えることになった。
と書いています。そして、下線�@の上に、
>工場のPCから業務システムの利用を試みたが,通信に異常が発生
と書いています。
業務システムを利用したときに異常が発生しました。
その業務システムの通信はIP−VPN経由に切り替えようとしています。

ということは、業務システムの通信フレームをIP-VPN経由に切り替えたつもりだったが、
専用線経由の通信を切断できていなかったと考えられますね。

このことを、設問で要求されている内容で解答してあげればいいでしょう。

何を問われているかにチェック！ 作業の内容と目的を問われています。
早速下線�Aを見てみましょう。
�A 工場のブリッジにおける作業の一つ

設問4(1)の続きです。
工場のブリッジにおける作業の一つが行われていなかったために、(1)のような二重要求が生じてしまった
と言っています。
では、その作業とは何でしょう？

工場のブリッジから、専用線にフレームを流さないようにすればいい訳です。
それが目的です。そこはいいですね。
それを実際にどうやるか、、、これが作業内容になります。
専用線にフレームを流さないようにすればいい訳ですから、方法はいろいろあります。

・表１の中継条件を削除する
でもいいですし、
・ブリッジから、専用線の線を抜く
でもいいでしょう。