VoIPはここ数年間注目を浴び,模擬試験など出題されています。
ここでは、出題のキーワードとなる言葉を並べてみましたので、
参考にして下さい。
参考:基礎講座:VoIP(キーマンズネット)
index
★総論(VoIPとは)
★VoIPの特徴
★呼制御プロトコル
H.323
1. 導入に必要な機器
ゲートキーパー
VoIPゲートウェイ
ターミナル
2. 用語
H.323ゾーン
PSTN網
MGW
VoIP-TA
SIP
SGCP/MGCP
★RTP/RTCP
★音声をデジタル化するための音声符号化方式
1.PCM (Pulse Code
Modulation)
2.CELP(セルプ。Code Excited Linear Prediction)
★音声品質保持のための設計ポイント
1.データセグメントとVoIPセグメントの分割(ルータ/スイッチ)
2.キューイング
WFG (weighted fair queing)
3.パケットのフラグメンテーション
(導入への留意点)
4.音声品質の指標(MOS)
VoIPに出てくる単語(すべてわかりますか?)
CELP
H.248
H.323
H.323ゾーン
MEGACO
MGCP
MGW
MOS
NOTASIP
PCM
PSTN網
RTP/RTCP
SGCP/MGCP
SIP
VoIP
VoIP-TA
VoIPゲートウェイ
WFG
キューイング
ゲートキーパー
呼制御プロトコル
ターミナル
★総論(VoIPとは)
「Voice over Internet Protocol」の略。
インターネットやイントラネットといったIPネットワーク上で音声通話を実現する技術。
通話の際、電話機から送出される音声信号をデジタル符号化し、パケットの形でIPネットワーク上を伝送する。
伝送されたデータは相手側の電話機で音声信号へと複号化され、固定電話と同様の音声通話が可能となる。
★VoIPの特徴
メリット:回線・通信料のコストダウン
・従量課金から定額課金となり、通話料や管理費用などのコストの大幅な
削減効果が期待できる
・電話回線とネットワーク回線をオフィスで別々に張り巡らせる必要はなくなり、
回線の敷設料や電話交換機の維持費などの管理コストを削減することが可能。
デメリット:音声品質の劣化
音声をIPパケット化する際や、IPネットワーク上へ送出する時に、
・遅延
・ゆらぎ
などが生じてしまい、音声品質の劣化につながってしまう。
遅延には下記のような種類がある。
・コーデック遅延
・パケット化遅延
・ジッタ吸収バッファ遅延
・送話遅延時間
・受話遅延時間
・エンドエンド遅延時間
・転送遅延
・伝播遅延
★呼制御プロトコル
VoIPによる通話を行うためには、
(1)通話したい相手の情報の取得
(2)通話したい相手の呼出し
(3)応答
といった一連の情報を交換する必要がある。
そのような目的のために使用されるプロトコルを呼制御プロトコルと呼ぶ。
代表的な呼制御プロトコルとして下記がある。
VoIPの代表的な呼制御プロトコル
・H.323
・SIP(Session Initiation Protocol)
その他に
・NOTASIP(Nothing Other Than A Simple Internet Phone)
QoS 保証を伴わないインターネット電話などにおいて使用されることを想定。
・SGCP/MGCP
・H.248/MEGACO
などがある。
(参考)ネットワーク早分かり講座:LANとTV会議の要「SIPとH.323」
H.323
・音声、ビデオ、データなどのマルチメディア通信を行なうための規格。
・1996年にITU-Tで標準勧告されている。
・マイクロソフトのNetMeetingでも採用。
1.
導入に必要な機器
ゲートキーパー
仮想的な交換機としての役割を担っている装置。
下記の機能を持っている。
・アドレス解決(@、Aを変換する。)
@050形式で電話機に割り当てられた電話番号
A相手ゲートキーパに割り当てられたIPアドレス
・使用帯域の許可
・着信先の選択
・電話番号の登録
・伝送容量を超えての発信を制限
VoIPゲートウェイ
・電話網とIP網を接続する装置。
・主として、音声信号をIPパケット化する役割を担う。
基礎講座:VoIPゲートウエイ(キーマンズネット)
ターミナル
・LAN上で双方向通信を行うクライアントのこと
・下記機能などを搭載。
・音声コーディック機能
・ビデオコーディック機能
・データインターフェイス
・下記プロトコルをサポート
・Q.931(呼発信と呼制御)
・RAS(ゲートキーパーとの通信)
・RTP/RTCP(音声と映像のパケットシーケンスを決める)
2. 用語
H.323ゾーン
1つのゲートキーパーが管理するターミナル、ゲートウェイ、MCU(マルチポイントコントロールユニット)のことをいう。
PSTN網(Public Switched Telephone Networks)
公衆電話網のこと
参考:IT用語辞典 e-Words : PSTN 【公衆交換電話網】 (Public Switched Telephone Networks)
MGW (Media
Gateway)
VoIPを使用する際に、IP網とPSTN網(公衆電話網)相互を接続するGateway。
VoIP-TA (VoIP
Terminal Adapter)
アナログ電話回線とLANを収容し、相互を変換する機器。
アナログ電話回線に対して、LAN(VoIP)はデジタル回線なので、A/D
D/A変換が必要になる。
このVoIP TAは加入電話用のジャックを備え,スプリッタで分岐した加入電話用の信号も収容する。
こうすることで,1台の電話機から,VoIPを使うADSLなどを経由した通話と加入電話経由の通話の両方が可能になる。
参考:VoIP-TA紹介 IPstage(沖電気)
参考:ITPro ニュースNTT-MEがADSL利用のIP電話を9月開始,ユーザー間の通話は月額500円からの定額で
SIP (Session Initiation Protocol)
・IETFのMMUSIC (Multiparty Multimedia Session Control)ワーキング・グループに
よって開発された呼制御プロトコル。
・テキスト形式で相手先を指定してUDPでSIPプロキシに送信し,
相手先から応答メッセージを受け取ったりする。
・H.323と連動して動作することも可能。
・SIPのメッセージヘッダーは自由度が高く、高度なテレフォニーサービスを
構築することが可能。
・マイクロソフトのWindows Messangerでも採用。
・SIPサーバを別途必要。
SGCP/MGCP (Simple Gateway Control Protocol/Media Gateway Control Protocol)
・いずれも外部の呼制御エレメントからVoIPゲートウェイを制御するためのプロトコル。
・SGCPはIPネットワークを横切る呼の確立、維持、切断を行う。
・MGCPは大規模ネットワーク向けの次世代規格。
★RTP/RTCP(Real-time Transport Protocol
、RTP Control Protocol)
・RTPは、UDPとIPの上で実行されるプロトコル。
・インタラクティブな音声、ビデオ、データのリアルタイム配信を可能にする。
・シーケンス情報を使ってパケットが順番通りに到着しているかどうかを判断、
タイムスタンプ情報を使って到着するまでのジッタを判断する。
・データ部とコントロール部から構成されており、コントロール部は
RTCP (RTP Control Protocol)と呼ばれている。
★音声をデジタル化するための音声符号化方式
1.PCM
(Pulse Code Modulation)
・音声波形をサンプリングして量子化する波形符号化方式。
・ISDNなどの音声通話では,300Hz、3.4kHzの音声帯域に対応するため,
4kHzの2倍の8kHzでサンプリングし,8ビット(256段階)で量子化する
=>音声通信の伝送速度として、64kビット/秒が必要となっている。
・ITU-T G.711勧告によって採用されている。
2.CELP(セルプ。Code Excited Linear Prediction)
・符号励振型線形予測。
・アナログの音声をディジタル信号に符号化する方式の1つ。
・音声をパターン化して個々のパターンを符号化する音源符号化方式。
入力音声信号を
(1)波形の振幅変化を表すスペクトラム包絡情報、
(2)音源情報
の2つに分けて、符号化。
★音声品質保持のための設計ポイント
VoIPの通話品質はどうしても公衆網より劣るきらいがある。
しかし、実際にVoIPを導入するためには、電話していて許容できる程度の通話品質を
保つことが必要。
それは、
・ネットワークの再設計
・高機能ルータ及び高機能VoIPゲートウェイの選択
・回線速度の増強
等により実現可能である。
すなわち、VoIPを実用化する際には、現在提供されている様々な機器や回線サービスの
中から適切なものを選択し、最適なネットワークを設計することが、非常に重要。
また、設計の際には、
・ 音声とデータが衝突することを防止する
・ 音声の優先制御をする
・ パケット分割を行う
等、さまざまなことに気をつける必要がある。
以下に、音声品質保持のための設計ポイントをいくつかを列挙する。
1.データセグメントとVoIPセグメントの分割(ルータ/スイッチ)
音声とデータのLANセグメントを分け、データパケットと音声パケットの衝突、
再送を発生を防ぐ方法。
2.キューイング
・複数種類のパケットに対して、それぞれ優先度を付与し、通信機器上で送信時の順番
を制御する機能。
・帯域を確保する際には必須。
・ルータから、IPネットワーク上にパケットを出す時に、音声パケットを優先的に
先に出すことにより、音声遅延を軽減する
・優先の方法は、回線の太さや他のデータの重要度によって、適切な方法を選ぶ
ことが必要。
・制御方法の一つとして、WFG(weighted fair
queing)がある。
WFG
(weighted fair queing)
各フローごとに
@優先度
A待ち時間
Bパケット・サイズ
の3要素を重みとして与え、送出時優先度を決める。
3.パケットのフラグメンテーション
・長いパケットを分割して、その間に音声を割り込ませる方法。
・長いパケット全体が送出されるまで待つ必要がないので、音声遅延の改善に対し
てはかなり有効。
(導入への留意点)
・端末やサーバによってはIPプロトコルスタックでフラグメントされたパケットの再組立の機能が
サポートされていないものがあるので、現地環境下での十分な検証が必要。
・あまり小さなサイズに分割し過ぎると,オーバヘッドが大きくなり,VoIPネットワークの伝送遅延が大きくなる
4.音声品質の指標(MOS)
各コーデックは一定の品質のボイスを提供する。伝送されるボイスの品質は聞き手の個人的な反応となる。
特定のコーデックによって生成されるボイスの品質を決定する際に一般に使用されるベンチマークとして、
Mean Opinion Score (MOS;
平均オピニオン スコア)がある。
MOS では、多種多様な聞き手が 1(悪い)から 5(非常によい)の尺度でボイスサンプル
(特定のコーデックに対応する)の品質を判断する。
各サンプルの MOS
はスコアの平均によって計算されます。次の表は、コーデックと
MOS スコアの関係を示しています。
コーデック方式 |
ビット
レート(kbps) |
MOS スコア |
圧縮遅延(ms) |
G.711 PCM
|
64
|
4.1
|
0.75
|
G.726 ADPCM
|
32
|
3.85
|
1
|
G.728 LD-CELP
|
16
|
3.61
|
3〜5
|
G.729 CS-ACELP
|
8
|
3.92
|
10
|
G.729 x 2 符号化
|
8
|
3.27
|
10
|
G.729 x 3 符号化
|
8
|
2.68
|
10 |
G.729a CS-ACELP
|
8
|
3.7
|
10 |
G.723.1 MP-MLQ
|
6.3
|
3.9
|
30
|
G.723.1 ACELP
|
5.3
|
3.65
|
30
|
参考:cisco/VoIP - コーデック :複雑度、サポート、MOS、およびネゴシエーションについて
参考サイト:
IT用語辞典 e-Words
IT Pro
Cisco Systems, Inc
基礎講座:VoIP(キーマンズネット)
ネットワーク早分かり講座:誤り制御方式とVoIPに見るQoS(キーマンズネット)
ネットワーク早分かり講座:LANとTV会議の要「SIPとH.323」
基礎講座:IP電話機(キーマンズネット)
基礎講座:VoIPゲートウエイ(キーマンズネット)
ネットワーク早分かり講座:IP電話の名前解決とDNSの仕組み(キーマンズネット)
ネットワーク早分かり講座:公衆電話網の構造とIP電話の仕組み(キーマンズネット)
運用コストを減らすワザ:IP電話:IP-Centrex その1(キーマンズネット)
運用コストを減らすワザ:IP電話:IP-Centrex 2(キーマンズネット)
運用コストを減らすワザ:IP電話:VoIPゲートウエイ・IP-PBX 1(キーマンズネット)
運用コストを減らすワザ:IP電話:VoIPゲートウエイ・IP-PBX 2(キーマンズネット)
すご腕アナリスト市場予測:IP電話の方向性(キーマンズネット)
すご腕アナリスト市場予測:プラスに転じるIT投資の注目株「インターネット/IP-VPN、VoIP」(キーマンズネット)
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