基礎3 2000年4月試験に向けたネットワーク分野対策3
(iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾 Sコース 3回目 講義ノート)

最終更新日 2006/05/02
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Tomのネットワーク勉強ノート
 iTAC テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾講義ノート 
   Sコース(全15回)  
     3回目---基礎3 2000年4月試験に向けたネットワーク分野対策3

iTAC塾講義ノート

コース名

テクニカルエンジニア(ネットワーク)塾Sコース3回目(大阪)

講師

みずおか先生

日時

2000年4月2日

10:00〜17:00

場所

クレオ大阪東 研修室

内容

基礎3(2000年4月試験に向けたネットワーク分野対策3)
通信回線(専用回線、ISDN、FR、ATM)、ネットワーク設計

 

問1
コンピュータ間のデータ通信に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。

図1.1のように、公衆回線網を介して2台のコンピュータ間でデータ通信するシ
ステムがある。


図1.1システム構成

(1) 各サブシステム内でのパソコン-MODEM間、およびサブシステムどおしをつな
ぐMODEM-MODEM間の通信条件は、表1.1および表1.2のとおりである。

表1.1 パソコンとMODEM間の通信条件

条件 内容
同期方式 調歩同期
通信速度 9,600ビット/秒
スタートビット 1ビット
ストップビット 1ビット
パリティ なし


表1.2 MODEM-MODEM間の通信条件

条件 内容
エラー訂正 なし
データ圧縮 なし

(2) 送受信を行うプログラム間では、UDP、IP、SLIPの各プロトコルのセグメント/
データグラムを用いてデータを通信する。以下に各データグラムおよびプロトコル
の概要を示す。
@UDPセグメント
TCP/IPプロトコル群におけるトランスポート層のプロトコルの一種である
UDP(User Data Protocol)のセグメントである。UDPはシンプルなデータグラム指
向のトランスポートプロトコルである。TCPとは異なり、あて先に確実に到着す
るかどうかの保証をしない(データ到着の信頼性を保証しない)。
UDPセグメントの形式を図1.2に示す。UDPセグメントのヘッダのサイズは8バ
イトであり、後述するIPデータグラムによってカプセル化されて送信される。

0

 

 

15

16

 

 

31

発信元ポート番号(16ビット) あて先ポート番号(16ビット) 8バイト
UDPデータ長(16ビット) UDPチェックサム(16ビット)
データ(省略可)

図1.2 UDPセグメント

AIPデータグラム
TCP/IPプロトコル群におけるネットワーク層のデータグラムである。UDPデー
タグラムは、IPデータグラムのデータ部に格納されて転送される。
IPデータグラムの形式を図1.3に示す。オプションがまったくない場合のIPヘッ
ダの長さは20バイトである。

0

 

 

15

16

 

 

31

バージョン
(4ビット)
ヘッダ長
(4ビット)
サービスタイプ(TOS)
(8ビット)
全長(バイト単位)(16ビット) 20バイト
識別(16ビット) ビット
フラグ
(3ビット)
フラグメント・オフセット
(13ビット)
生存期間(TTL)
(8ビット)
プロトコル
(8ビット)
ヘッダ・チェックサム
(16ビット)
発信元IPアドレス(32ビット)
あて先IPアドレス(32ビット)
オプション(もしあれば)
データ

図1.3 IPデータグラム

BSLIP(シリアル回線IP)
シリアル回線上のIPデータグラムを送受信するためのプロトコルであり、
RFC1055で定義されている。SLIPでは以下のルールを用いてデータが送受信され
る。
1.IPデータグラムの転送は、END((C0)16)とよばれる特別なキャラクタで終了す
る。また、データグラムの先頭にもEND((C0)16)キャラクタを転送する。
2.IPデータグラム中の一つのバイトがENDキャラクタと同じ場合、代わりに
(DB)16、(DC)16に置き換えて転送する。(DB)16はSLIP ESCキャラクタとよばれ
る。
3.IPデータグラム中の一つのバイトがSLIP ESCキャラクタと同じ場合、代わり
に(DB)16、(DD)16に置き換えて転送する。
IPデータグラムがSLIPを用いてパケットで転送されるようすを図1.4に示す。

 

IPデータグラム        
  C0 DB  
C0 DB DC DB DD C0
SLIPによって置き換えられた送信データ

図1.4 SLIPによるIPデータグラムのシリアル転送

なお、各ホストでのIPアドレスおよびUDPデータグラムを用いた通信で利用する
ポート番号を表1.3に示す。また、一つのUDPデータグラムに格納されるデータ部の長
さは最大で512バイトとする。

表1.3 各ホストのIPアドレスおよびポート番号

ホスト名 IPアドレス ポート番号
Ha 192.168.100.1 2048
Hb 192.168.100.2 2048

設問1
図1.5に示すような8バイトのデータグラムをIPデータグラムでカプセル化して
送信する。図中の数字はすべて16進数であり、データ内容は、ICMP(Internet Control
Message Protocol)のメッセージの一種であるエコー要求(Ping要求)の例である。

08 00 F7 99 00 64 00 00

図1.5 エコー要求のデータグラムの例

またこのメッセージを受信した側では、送信側に対して図1.6に示すようなICMP
メッセージの一種であるエコー回答(Ping応答)を、エコー要求を送信したホストに返
す。

08 00 FF 99 00 64 00 00

図1.6エコー応答のデータグラムの例

ICMPメッセージは、UDPセグメントと同様にIPデータグラムでカプセル化して送信
される。これに関する次の記述中の【 】に適切な数値および式を入れよ。

ホストHaからホストHbに対してエコー要求メッセージを送信する場合、メッセージ
をIPデータグラムにカプセル化することで、【 a 】バイトにある。送信するIP
データグラムのヘッダ部分に(C0)16や(DB)16が含まれなかったとすると、ホストHaから
MODEMに送信するデータの長さは、【 b 】バイトになる。
エコー要求メッセージを送信したホストHbではエコー応答メッセージをIPデータグ
ラムにカプセル化する。送信するIPデータグラムのヘッダ部分に(C0)16や(DB)16が含ま
れなかったとすると、ホストHbからMODEMに送信するデータの長さは、
【 b 】バイトになる。
各ホストとMODEMの間をデータが流れるさいに、そのデータ量に関わらず1回の通
信あたりm秒、同様にMODEM-MODEM間をデータが流れるのにn秒の遅延がそれぞ
れ発生し、エコー要求メッセージを受信完了してからエコー応答メッセージを送信開
始するまでの処理時間をp秒とした場合、ホストHaにおいてエコー要求メッセージを
送信し始めてから、エコー応答メッセージを受信完了するまでに要する時間は、通
信路にまったく誤りがないと考えた場合、最低【 d 】秒になる。


設問2
484バイトのデータをUDPセグメントを用いて送信する。送信するデータをカプ
セル化してUDPセグメントおよびIPデータグラムにした結果、IPデータグラムを
構成する各1バイトの内容の分布が、すべてのビットパターン種類について一様で
あることがわかった。このとき、シリアル回線を何バイトのデータが流れることに
なるか。

設問3
SLIPと同様にシリアル回線を用いて2点間の通信を行うプロトコルとして、
PPP(Point-to-Point Protocol)がある。SLIPと比較した利点の説明として誤っているも
のを回答群をなかから選べ。

ア:単一のシリアル回線上で、IPデータグラム以外の複数のプロトコルをサポートする。
イ:CRC(巡回冗長検査)をすべてのフレームで行える。
ウ:回線につながるエンドどうしで動的にIPアドレスを交渉できる。
エ:CSLIPと同様の方法で、TCPとIPヘッダを圧縮できる。
オ:リンク制御プロトコルでさまざまなデータリンクオプションが交渉できる。
カ:カプセル化によるオーバーヘッドがSLIPよりも小さく、通信時間および転送する総データ量を少なくできる。

 

----------(回答)----------

設問1

a:28(バイト) b:30(バイト) c:30(バイト) d:4m+2n+p+0.0625(秒)

設問2

518バイト

設問3

----------(解説)----------

設問1:

a:ヘッダ20バイト + データ8バイト = 28バイト

b:28バイトにヘッダとトレーラが付くから、28バイト+2バイト=30バイト

c:bと同様で30バイト

d:

転送の問題

調歩("ちょうぶ"とよむ)同期

日経NWの付録の「ネットワーク・キーワード300」P.54には調歩「ちょうほ」となってます。

どっちでもいいようです。 ADD(00/8/28)

→1歩ずつ調べる同期方式。1バイト(1語)ごとにデータをチェックする方式。

Start データ(1バイト) Parity Stop Start
                         

スタートビット:1ビット

データ部:1バイトは題意によって7ビット、8ビットがあるが、指示がなければ8ビットとして考える。

パリティビット:0 OR 1ビット 付ける時と付けない時がある。問題に従う。(今回は付けない)

ストップビット:1ビット OR 2ビット 問題に従う。(今回は1ビット)

試験ではストップビットのビット数だけ注記されているときがある。
これはストップビットが1、2ビット両方ありえるからであって、スタートビットがなくて、
ストップビットのみあるわけではないので注意する。

転送時間

データ長30バイトを9,600ビット/秒のモデムで送信する際の転送時間は、

30バイト × 10(ビット)

------------------- = 0.03125秒

9,600 ビット/秒

モデムの処理時間がm×4秒、モデム=モデム間の遅延時間がn×2秒、ホスト処理時間がp秒ゆえ、

4m+2n+p+0.0625(秒)となる。

 

設問2

データ量 484バイト

UDPセグメントにカプセル化…8バイト → 492バイト

IPデータグラムにカプセル化…20バイト → 512バイト

SLIPでヘッダとトレーラを付けて 2バイト

484+8+20+2=514バイト

IPデータグラム(512バイト)を構成する内容の分布がすべてのビットパターンにおいて一様。

1バイト=8ビット ビットパターンは256パターン

512/256=2

つまり、同じビットパターンが2回ずつ出てくる。

SLIPでは、C0→DBDC、DB→DBDDに置換する。

この分を考えて、514+2×2=518バイトとなる。

設問3

PPPはSLIPを機能拡張したプロトコル。

ア〜オはすべてPPPの拡張機能について説明されている。

機能拡張したことによって、その情報(オーバヘッド)が増えた。つまり、カが間違い。

 

問1 LANを使ったシステムの再構築に関する次の記述を読んで、次の1〜4に答えよ。

F社は全国に支社をもつ貨物運送会社で、全社システムは東京本社のホストコンピュータ
(ホスト)を中心に構築されている。各支社にはホスト専用の端末(ホスト端末)が設置されて
おり、一定規模以上の支社にはLANが敷設されている。
H支社はF社の中では中規模の支社であるが、美術品や精密機械など特別貨物の取扱いが
多い関係上、独自システムの要求が強い。そのためH支社では独自の部門コンピュータを設
置し、それを使った特別貨物輸送追跡システム(特別貨物システム)を支社で利用してきた。
図1は現在のH支社のネットワーク構成である。


図1 現在のH支社のネットワーク構成

H支社では現在、特別貨物システムの見直しを行っている。また、一部の部門が別のビル
(H支社分室)に移転することになっており、LANを分室にも延長する必要がある。さらに、
本社や海外の提携貨物運送会社からの情報をwwwを用いて取得したいと考えている。これ
らの背景から、H支社では、特別貨物システムの再構築とH支社分室へのLANの拡張、www
を利用するために必要なインターネットサービスプロバイダ(ISP)への接続を同時に行う方
針を新システム移行推進会議で決定し、図2のようなシステム再構築案を作成した。


図2 H支社のシステム再構築案

[システム再構築案の説明]

(1)全社システムとの関係
  今回のシステム再構築では、基本的に全社システム側の変更は行わない。しかし、全
  社システムのオンライン利用については、ホスト端末をパソコンに置き換えて、その中
  の20台をエミュレータソフトを利用してホストと通信する構成に変更する。なお、部門
  コンピュータとホスト間で行っているファイル転送は、サーバとホスト間に変更される
  が、現在と同じ通信手順で通信処理装置を経由して行う。

(2)新システムの構成
  部門コンピュータおよびその専用端末を全面的に置き換え、サーバ(1台)とパソコン(当
  初100台)を新規に導入する。サーバとパソコン間の通信手順は、TCP/IPを採用する。サー
  バは1台とし、現在の部門コンピュータのあるエリアに設置する。パソコン台数は、業
  務拡張に伴い、将来は160台まで増設できるようにする。

(3)現オフィスのLAN
  現オフィスは新規のケーブル敷設をせず、全社システムで利用しているシステムを利用す
  る。図2のように、パソコン(当初100台)はハブ(10BASE5のアタッチメントユニットイン
  タフェースを複数の10BASE-Tに変換するマルチポートリピータ)を介して、変更のLANケー
  ブルに接続する。

(4)分室のLAN
  分室には、現オフィスと同様のCSMA/CD方式のLANを敷設する。LANには、パソコン
  (当初25台)がハブ経由で接続される。異動する部門の業務の関係から、当面はホスト系業
  務は分室で行わない。

(5)両オフィス間の接続
  両オフィスのLANは、ルータ1、ルータ2を経由して64kビット/秒の専用線を介して接
  続する。

(6)ホストと通信制御装置間の接続
  この通信は64kビット/秒の専用線を利用する。専用線上のホスト伝送手順は、HDLC
  を利用した全二重通信を採用し、伝送効率80%で設計している。この数値は、HDLC手順
  を用いた専用線上での理論的な上限値とほぼ等しい。

(7)wwwへの接続
  ISPには、ルータ0を経由して128kビット/秒の専用線を介して接続する。

[調査]
(1)サーバとパソコン間のスループット
  CSMA/CD方式のLANは、図3のような遅延特性を示すことが分かっている。横軸の利
 用率は、1秒間にLAN上に伝送されるデータ量とLANの伝送速度との比較である。また、
 同等のシステムでパソコン10台とサーバ1台によるプロトタイプ評価を行った結果、パソ
 コン1台当たりのスループットは、30kビット/秒とすればよいことが分かった。LAN上
 のデータのパケット長は、実データがないので、64バイトと仮定した。ここでいうスルー
 プットとは、LANを利用するノード間で1秒間に伝送されるデータ量の設計目標値のこと
 をいう。
(2)LANの性能
 10BASE−TではCSMA/CD方式でネットワークにパケットを送出しようとして【 a 】
 を検出すると、一定時間後に再度送信を行う。このことから、パケット長を短くすれば
 するほど回線利用率が増加し、LANへのアクセス回数が増大する。このため、ますます
 【 a 】の回数が増え、【 b 】が極端に悪化していく(A)。
 【 c 】が長くなれば同一の負荷に対してパケット数が減るので、【 a 】の確率
 が減少して【 b 】が良くなる。したがって、図3の【 d 】の曲線が64バイトで
 伝送したときの関係を示していることが分かる。この曲線は、利用率が0.2を超える時点
 から【 b 】が悪化していることから、限界利用率は0.2、つまり【 e 】ビット
 /秒がLANの最大スループットであることが分かる。これにより、LANに接続できるパ
 ソコン台枚は最大【 f 】台となる。
 図3からはパソコンの最大接続数は、パケット長に比例して増加することが分かる。CSMA/
 CD方式の最小パケット長は64バイトであり、実際のパケット長は先頭にある8バイトの、
 【 g 】を付加するため64バイトより長くなる。以上のことから、64バイトで見積も
 ることでスループットの安全性が確保される。
(3)LAN上のホスト通信手順について
 ホスト通信手順とTCP/IPは、MAC副層から下位の層に関して同一のプロトコルを採用
 し、同一LAN上で混在させて運用している実績がある。LAN上でのホスト通信手順の平
 均パケット長は、1,200バイト程度であることが分かっている。
(4)ホスト通信手順のLAN上のスループットについて
 図2では、ホストとの通信はホストと通信処理装置間の回線がボトルネックになると推
 定できる。したがって、通信処理装置とエミュレータによってホスト端末になるパソコ
ン、サーバ間のスループットは、ホストと通信処理装置間の回線におけるスループット
で抑えられる。

(注) 3本の線は、平均パケット長が、64バイト、256バイト、
1024バイトのいずれかを示す

図3 CSMA/CD方式のLANの遅延時間特性

設問1

本文中の【 a 】〜【 g 】に入れる適切な字句または数値を答えよ。

設問2

図2の構成で、本文中の[調査](2)の(A)の現象が発生するかどうかを推定したい。
図2で想定される通信スループットの全体を考え、次の各問いに答えよ。

(1)[調査](3)(4)から、サーパおよびエミュレータによってホスト端末になるパソ
  コンと通信制御装置間の通信スループットの総和を考え、その上限値を求めよ。

(2)[調査](1)からサーバと現オフィスのパソコン間の通信について、スループッ
  トの総和を考え、その上限値を求めよ。

(3)サーバと分室のパソコン間の通信について、スループットの総和を考え、その上
  限値を求めよ。ここで、ルータ間の伝送効率は全二重で100%とせよ。

(4)図2に示したLAN構成で、(A)の現象が通常運用時に発生するかどうかについて、
  理由と共に70字以内で述べよ。

設問3

新システム移行推進会議の中で、「新システムのLANではネットワーク上のパソコ
ンの平均応答時間が良くない可能性がある」との指摘があった。そして、この指摘に
関する検討が行われることになった。

(1)このような「指摘」がなされた理由について、CSMA/CDの伝送特性に着目して、
  60字以内で述べよ。

(2)ネットワークスペシャリストの立場から考えられる対応策を二つ挙げ、それぞれ
  30字以内で述べよ。また、それによって期待される効果についても、それぞれ30字
  以内で述べよ。

設問4

wwwを利用するために必要なインターネット接続に関する次の各問いに答えよ。

(1)F杜では,JPNIC(Japan Network Information Center)からクラスCの割当てを一つ
  しか受けておらず、F牡全体では、約500の端末やパソコンが設置されている。この
  ような利用環境でイントラネットと接続するために、図2の(B)の位置にある装置を
  設置した。できるだけ下位層で実行する場合、この装置の機能は何か答えよ。また、
  その役割は何か答えよ。

(2)H支社では、イントラネットと接続するためにグローバルアドレスを取得した。
  インターネットとの接続を行うために、このグローバルアドレスに対応しで登録す
  べきものを答えよ。

----------(回答)----------

設問1

a:衝突、コリジョン

b:応答時間、レスポンス、遅延時間、遅延時間特性

c:パケット長

d:@

e:2M

f:66

g:プリアンブル

設問2

1)51.2kbps

2)2Mbps

3)64kbps

4)問題があいまいで回答が出来ない。

設問3

1)100台以上のパソコンが同一セグメントにあるため、衝突が多発し、再送や待ちが発生する。(44)

2)対策案 1:スイッチングハブを導入する。(14)
        効果:セグメントが分割でき、スループットが向上できる。(25)

  対策案 2:LANの通信速度を100Mbpsに上げる。(21)
        効果:通信時間を短くすることにより、待ち時間が減少できる。(26)

設問4

1)機能:NAT
   役割:グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを変換する。

2)ドメイン名  

 

----------(解説)----------

設問1

a,b,c,dは割愛

e: 10BASE-T は10Mbps。10×0.2(限界利用率) = 2Mbps

f:調査(1)より、スループットは30kbps。 2×10^6(bps) / 30×10^3(bps) = 66.67(台) 67台では超えてしまう。

g: プリアンブルとは…

CSMA/CDでは、パケットの前に101010…を64ビット(8バイト)付けて、リズムを付ける。

端末間で完全に両側の同期をハードのみで合わせるのは難しい(お金がかかる)ので、このプリアンブルで

リズムを合わせている。盆踊りでの始めのたいこみたいなものでしょうか。

設問2

1)通信回線の伝送速度とスループットの総和を比較する。

通信回線の伝送速度

64kbps × 0.8 = 51.2kbps

スループットの総和

1,200 × 8 × 20 = 192,000 = 192kbps

51.2kbps ≦ 192kbps 通信回線の伝送速度(51.2kbps)が上限となる。

 2)通信回線の伝送速度とスループットの総和を比較する。

LANの伝送速度

10kbps × 0.2 = 2Mbps

スループットの総和

30,000 × 8 × 100 = 2,400,000 = 2.4Mbps
(通信量はオンラインとして利用する(1,200バイト)より、PCとして利用する(30kバイト)方が
多いので最悪の場合を考えて、PC×100台として計算する。)

2Mbps ≦ 2.4Mbps LANの伝送速度(2Mbps)が上限となる。

3)通信回線の伝送速度とスループットの総和を比較する。

通信回線の伝送速度

64kbps × 1.0 = 64kbps

スループットの総和

30,000 × 8 × 25 = 750,000 = 750kbps

64kbps ≦ 750kbps 通信回線の伝送速度(64kbps)が上限となる。

4)100台のPCが同時にエンターキーを押すと、全問のようにボトルネックが発生するが、
実務上、そのようなことがありえるのかどうか、明記されていないので回答できない。

設問3

1)LAN上で応答時間の悪化が問題になる原因は

・コリジョンの多発によるスループットの悪化

・通信速度不足によるボトルネックの発生

である。

2)その対策をネットワークスペシャリストの立場で問われている。

「データ量を減らす」はDSP(データベーススペシャリスト)、AE(アプリケーションエンジニア)の仕事なので、
この内容は問われていない。

1)の原因を対策し、それでの効果を書けばよい。

・コリジョンの発生を減らすにはコリジョンセグメントを分割すればよい。

→ブリッジ、スイッチングハブの導入

・10BASE-Tを使用してるなら100BASE-TXに変更すればよい。

設問4

1) クラスCのホストアドレスは254個。500の端末に割り当てるのは不可能である。

この環境でインターネット接続するために、グローバルアドレスとプライベートアドレスを変換するNAT機能がある。

この機能についての講義内容 => NAT機能についての講義内容

2)インターネット接続に必要なもの

・IPアドレス(割り当て)

・ドメイン名(登録)

 

☆ 講義 NAT機能
(Network Address Translator)

グローバルアドレスとプライベートアドレスを変換する機能

最近では、IPアドレスをクラスCとして、全部割り当てられることも少ない。下記のように割り当てられたグローバルアドレス14個、

に対して、プライベートアドレスが200のネットワークを考えると

グローバルアドレス                 プライベートアドレス
--------------------[ NAT ]--------------------
A.B.C.1〜14                                    X.Y.Z.1〜200

NATには、スタティックNATと、ダイナミックNATがあって、外から見て変わって欲しくないアドレス(メールサーバ、
webサーバなど)はスタティックNATとしておく。

この場合、初期状態としてスタティックNATの内容がNATテーブルに記入されている。

NATテーブル
(X.Y.Z.5をメールサーバ、X.Y.Z.7をwebサーバとした初期状態)

A.B.C.1 X.Y.Z.5
A.B.C.2 X.Y.Z.7
A.B.C.3 NULL
A.B.C.14 NULL

この状態から、プライベートアドレスを使用した端末(仮にX.Y.Z.103とする)から、インターネットに接続しようとすると、
ここで、グローバルアドレス(A.B.C.3)に書き換えられて送信される。

このテーブルにはリリース時間があり、ある一定の時間接続しなければ、テーブルの内容は破棄される。

 

IPマスカレード

外から入ってくるグローバルIPアドレスを同じ(例えば、メールサーバでも、webさーばでもA.B.C.1)にして
その内容を見て、メールならA.B.C.5、webならA.B.C.7に変換できる機能がある。

方法はIPデータグラムの中にあるポート番号を見て割り振りが出来るのである。この方式をIPマスカレードという。

 

 

問2
インターネットを利用したネットワークシステム再構築に関する次の記述を読んで、
設問1〜3に答えよ。


部品販売会社のT社は、"在庫管理システム"を東京本社と大阪支社で利用している。東
京本社と大阪支社のLANは、ルータを介してISDN経由で接続されており、プロトコルには
TCP/IPを採用している。また、東京本社および大阪支社の各LANには、それぞれ10台のパ
ソコンが接続されている。
在庫管理システムの利用者は、東京本社に接続された在庫管理サーバおよびFTPサーバに
パソコンからアクセスする。FTPサーバヘのアクセスには、FTPクライアントプログラムと
通信プロトコルFTPを用いる。在庫管理サーバへのアクセスには、在庫確認用のクライアン
トプログラムとTCPを利用した特別なメッセージ通信プロトコルを用いる。在庫確認用のク
ライアントプログラムは、東京本社に設置されたFTPサーバから入手する。

[現行ネットワークの概要]

(1)在庫管理システムの利用者は、FTPサーバのIPアドレスとFTPサーバのTCPポート番
  号(FTPポート番号という)が設定されているクライアントプログラムを用い、ユーザID
  およぴパスワードを指定して、FTPサーバにアクセスする。

(2)ユーザlDおよぴパスワードが正しければ、必要な在庫管理用のクライアントプログ
  ラムをダウンロードする。ダウンロードしたプログラムには、在庫管理サーバのIPアド
  レスと在庫管理サーバのTCPポート番号(在庫管理ポート番号という)が含まれている。

(3)利用者は、ダウンロードしたクライアントプログラムを起動する。クライアントプ
  ログラムは、在庫管理サーバとのTCPセションを確立し、パソコン上に初期メニューが
  表示される。

(4)利用者が在庫の確認や部品の出庫予約などを行うときは、クライアントプログラム
  と在庫管理サーバ間に確立されたTCPセションで通信が行われる。

(5)利用者が初期メニューで処理終了を選択すると、クライアントプログラムはTCPセ
  ションを終了し、自分自身も終了させる。

(6)東京本社と大阪支社のパソコン間での通信は禁止されている。

(7)現在のネットワーク構成を図1に示す。図1中のS1、S2、R1、R2、P10、P19、P20、
  P29はIPアドレスである。また、ルータ1およびルータ2におけるパケットフィルタリン
  グは表1のように設定されている。

図1 現在の在庫管理システムのネットワーク構成

表1 ルータ1およびルータ2のフィルタリングの設定

通信の方向

フィルタリングの定義

LAN1->LAN2

@送信元がIPアドレスS1で【 a 】、またはIPアドレスS2で
【 b 】のIPパケットは通過させる。
A上記以外のIPパケットは破棄する。

LAN2->LAN1

@あて先がIPアドレスS1で【 a 】、またはIPアドレスS2で
【 b 】のIPパケットは通過させる。
A上記以外のIPパケットは破棄する。

[インターネット接続案]
利用者が拡大するにつれて、「客先に出向いたときにイントラネット経由で在庫管理シ
ステムを利用したい」という営業担当者の要求が増えてきた。また、社内からも「インター
ネットおよび電子メールを利用したい」という要求が出てきている。そこで、T社ではイン
ターネットと接続して、社外から電子メールを送受信できるようにするために、次のよう
に要件をまとめた。

(1)ファイアウォールを介してインターネットと接続し、イントラネット経由でも在庫
  管理サーバにアクセスできるようにする。

(2)在庫管理サーバおよび社内/社外のwwwサーバへのアクセスに、wwwクライアン
  トプログラム(ブラウザ)を利用する。そのため、FTPサーバからクライアントプログラ
  ムをダウンロードする方式を廃止し、ブラウザから社内のwwwサーバにアクセスした
  ときにクライアントプログラムを自動的にダウンロードする方式にする。wwwサーバ
  へのアクセスには、HTTP通信プロトコルを用いる。

(3)メールサーバを設置して、電子メールを利用できるようにする。社内からメールサー
  バヘの通信プロトコルにはpop3を用いる。

(4)イントラネットとの接続案を図2に示す。図2中のS1、S3、S4、R1、R2、R3、P10、
  P19、P20、P29、F1、F3はIPアドレスである。

図2 インターネット接続案におけるネットワーク構成

[ファイアウォール]

(1) ファイアウォールは、IPアドレスの変換とIPアドレスのフィルタリングを行う。

(2) ファイアウォールのLAN3側のIPアドレスは【 c 】アドレスとしてイントラネッ
  ト側に公開し、LAN1側のIPアドレスは【 d 】アドレスにし非公開とする。

(3)イントラネットから社内ネットワークに侵入を防ぐため、ファイアウォール
  で次のアドレス変換を行う。

【 e 】IPアドレスがF3で、【 e 】TCPポート番号が在庫管理ポート番号で
あるIPパケットに対して、【 e 】IPアドレスを【 f 】から【 g 】に変
換し、LAN3からLAN1にフォワードする。その応答パケットに対しては、【 h 】IP
アドレスを【 i 】から【 j 】に変換し、LANからLAN3にフォワードする。
これ以外のアドレス変換は行わない。

[図2の案に対する意見]
図2の案に対する検討を行った結果、次のような意見が得られた。

(1)通信プロトコルとしてHTTPを用いると、セキュリティ面で問題があるのでSSLま
  たはHTTPの拡張版である【 k 】を用いたほうがよい。

(2)現行の設定のままで図2のネットワーク構成を構築しても、大阪支社のパソコンから
  wwwサーバおよぴメールサーバを利用できない。

(3)社内からインターネットを介したメールの受信ができないので、メールザーパの設
  置場所を変更する必要がある。

設問1

表1中の【 a 】、【 b 】を、10字以内の適切な字句で埋めよ。

設問2

"図2の案に対する意見(2)"に関する次の問に答えよ。

(1)ルータ2のLAN2からLAN1方向へのフィルタリングで、新たに通過を許可すべき
  IPパケットについて、50字以内で述べよ。

(2)本文中の【 c 】〜 【 k 】を、適切な字句で埋めよ。

設問3

"図2の案に対する意見(3)"に関する次の問いに答えよ。

(1)メールを受信できない理由を、50字以内で述ベよ。

(2)変更すべきメールサーバの設置場所を答えよ。

----------(回答)----------

設問1

a: 管理ポート番号

b:FTPポート番号

設問2

1)送信元がIPアドレスS3でHTTPポート番号、またはIPアドレスS4でPOP3ポート番号(44)

2)

c:グローバル

d:プライベート

e:あて先

f:F3

g:S1

h:送信元

i:S1

j:F3

k:SHTTP

設問3

1) インターネットからのメールはファイアウォールでアドレス変換を行わない設定になっているため(44)

2) LAN3

----------(解説)----------

設問1(省略)

設問2

1)現状では大阪〜東京間は在庫管理サーバとFTPサーバしか通過を許可していない。
   設問1の表に倣い、50字以内で、書けばよい。

2)省略

設問3

1)ファイアウォール内ではプライベートアドレス、ファイアウォール外ではグローバルアドレスを使用していることに
   注目する。つまり、ファイアウォールにNAT機能があり、そこでアドレス変換を設定していなければメールは受信できない。

2)本当はLAN1をそのままにして、LAN3にも新規に置くべきでしょう。
   ファイアウォールの設定は?

→送信先IPアドレスがF3でポート番号がPOP3、SMTPのIPパケットをS4に変換してフォワーディングする。

 

☆講義ファイアウォール">ファイアウォール
(Fire Wall)

(インターネット)

[ルータ]
LAN1       |              
・----------+------+-----・
                  |
                    [ファイアウォール]
LAN2                 |     
・-----------------+-----・

 

非武装セグメント
武装セグメント

社内のLANでは、ファイアウォールを設置して、外部からの侵入を防いでいる。
そのファイアウォール内の守られたセグメントを武装セグメント、外を非武装セグメントと言う。

最近では、ファイアウォール1つではなく、2つ以上使っているケースが一般的である。
これは、1つ破られたときのための2次的なものではなくそれぞれが役割をもっている。

(インターネット)

[ルータ]
LAN1             |                   
・-----------------+-----------+-----・
                                    |
                   [Proxy]        [ファイアウォール1]
LAN2            |                       |     
・-------------+---------+-----+-----・
                  |
                  [ファイアウォール2]
LAN3                          |              
・-----------------------+-----------・

 

バリアセグメント
非武装セグメント
武装セグメント

この方法では、武装セグメントからバリアセグメント、バリアセグメントから武装セグメントは直接通信できないようになっている。
(外からは非武装まで、中からも非武装まで)

全て一旦Proxyに格納され、内容を吟味して問題なかったらポート番号にあわせて内外に送るようになる。

(メール爆弾が送られてきたらProxyサーバが身代わりに死ぬから武装セグメントには危害が及ばない)

 

 

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