テクニカルエンジニア（ネットワーク）過去出題問題

平成15年　午後1　問2

最終更新日　2006/02/26
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Tomのネットワーク勉強ノート

　過去問（午後）

テクニカルエンジニア（ネットワーク）過去問（午後）

テクニカルエンジニア（ネットワーク）過去問平成15年　午後1　問2

問2

サーバの移設に関する次の記述を読んで、設問1～4に答えよ。

A社は、東京に本部があり、全国に30の営業店をもつ衣料品販売会社である。数
年前に、図1に示すイントラネットシステムを構築し、本部に設置したサーバを自社
で運用してきた。

図1 イントラネットシステムの構成（抜粋）

本部に設置されたサーバは、プロキシ、内部DNS及びメールの3台である。ISPと
の接続環境とインターネットに公開されているサーバは、データセンタ事業者である
C社のセンタに設置し、その運用をC社に委託している。センタ、本部及び営業店は、
IP-VPNで接続されている。社員のインターネットの利用は、本部のサーバを介して行
われ、それに必要な情報がパソコンに設定されている。
営業店での利用者の多くがパソコンに詳しくないので、障害時だけでなく、操作手
順や設定方法の聞合せへの対応など、本部のサポートが大いに必要であった。しかし、
本部と営業店の勤務時間が異なり十分なサポートができないので、C社にヘルプデス
ク機能を含めた運用を委託するために、本部の3台のサーバを移設することになった。

〔ネットワークの変更〕
サーバの移設の責任者には、A社のB君が任命された。まず、B君は、現状のネッ
トワーク構成、移設対象機器の諸元、IPアドレス、MACアドレスなどをまとめた資
料を作成した。
その結果、センタにサーバを移設すると、様々な設定変更が必要なことが分かった。
B君は、サーバのIPアドレスを変更する場合と変更しない場合で、作業負荷にどの程
度違いがあるのかを検討し、次に示す表にまとめた。

表設定変更内容のまとめ

機器名称	案1（サーバアドレスを変更しない）	案2（サーバアドレスを変更する）
サーバ	なし	IPアドレス、DNSの設定
FW	SW-1側ポートのIPアドレス	フィルタリングルール
SW－1、SW－2	IPアドレスデフォルトゲートウェイのIPアドレス	なし
ルータ1	【 a 】	なし
ルータ2	【 b 】	なし
ルータ3	なし	なし
本部パソコン	IPアドレスデフォルトゲートウェイのIPアドレス	【 c 】
営業店パソコン	【 d 】	内部DNSサーバのIPアドレス

この結果から、B君は、案1を採用することを上司に報告し、了解が得られたので、
移設計画書を作成することにした。この段階で、B君がC社に相談したところ、IP-
VPN側の設定変更も必要であることが分かり、サーバの移設に合わせて変更作業を実
施することにした。

〔センタの設備〕
C社では、最初に、どのラックにサーバを搭載するかを検討した。A社に割り当て
ていたラックには空きがなかったので、本部から移設されるサーバ用に新たにラック
を用意することにした。

次に、ラックヘの搭載図を作成した。センタには無停電対策が施されているので、
移設前の本部のラックと移設後のセンタのラックにおける搭載状況は図2のようにな
り、新たな機器を購入する必要はなかった。移設する機器や接続構成が確定したので、
これらを基に、電源やLANケーブルなどの敷設経路を決め、移設日までの工事日程
を確定させた。

図2 移設前の本部のラックと移設後のセンタのラックにおける搭載状況

〔移設工程〕
最後に、作業項目、作業場所及び作業時刻を明確にした、図3に示す移設作業当日
のタイムチャートを作成した。営業店の閉店後に作業を開始して、翌日の開店までに
作業を終了するように計画したものである。

なお、図3におけるサーバのネットワーク接続確認は、センタにテスト用パソコン
を持ち込んで、次のように2段階に分けて行うことにした。まず、①サーバがSWに
接続されていることを確認し、次に、②SWのポートの割り付けが計画どおりになっ
ているかどうかを確認するというものである。

以上のような計画に基づいて作業を行った結果、移設作業は問題なく完了し、C社
での運用が始まった。

図3 移設作業当日のタイムチャート