テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去出題問題平成13年 午後1 問1最終更新日 2004/01/24
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テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去問 平成13年 午後1 問1 |
問1
SOHO環境の構築に関する次の記述を読んで、設問1〜4に答えよ。
A氏は、不動産会社を経営し、ある駅前に事務所を揃えている。事務所では、数年
前にパソコンを導入し、物件及び顧客の管理に使用してきた。このたび、システムを
クライアントサーバ型に更新することになり、以前から懇意であったB社に相談をも
ちかけた。何度かシステムに関する打合せをした後、貸主との連結や業界情報の入手
のため、インターネットにも接続できるように、追加要望を出した。
B社の担当者であるC君は、直ちに図1の構成を提案してきた。
図1 B社提案の構成
次は、A氏とC君の会話である。
C君:先日に要望のありましたインターネット接続を取り込んで、図1のように構成
を作り直してみました。
A氏:確認しておきたい。業務サーバが停止していても、インターネットが使えるよ
うな構成だね。
C君:はい、それは問題ありません。では、この構成を説明いたします。前回提案し
た構成のハブを、ハブの機能とISDN接続の機能をもつSOHOルータに置き
換えます。現在ファックスで利用されているISDN回線に、このSOHOルー
タを接続します。
A氏:料金は、どのくらいになるのかな。
C君:1か月の料金は、おおよそ次のようになります。ISPへの接続料が2,000円で、
ISDNの基本料は変わりません。ISPのアクセスポイントは市内にありますか
ら、通信料は3分8円で計算します。ホームページの閲覧については、1日1
回30分、営業日数を1か月に25日とすると、【 a 】円です。同様に、
電子メールのチェックは、1回2分、1日8回、25日利用で、【 b 】円
です。
A氏:ISDNにSOHOルータを接続するのに、TAは必要ないのかね。
C君:はい、必要ありません。TAというのはターミナルアダプタのことですが、そ
の役割について、図で説明いたします。
図2 ISDNのユーザ・網インタフェースの参照構成
C君:図2は、標準化組織によって定義されているISDNのユーザ・網インタフェー
スの参照構成です。この図のNT1は、具体的には【 c 】と呼ばれるも
のです。TE2は、【 d 】用として設計された端末以外のものをいいます。
このような端末をNT2やNT1に接続するために必要になる装置がTAです。
TAとTE2の間の【 e 】点をR点といいます。
ルータは、異なる【 f 】を接続するための機器ですが、表に示すとお
り、今回導入していただくSOHOルータのようにISDNインタフェースをも
っている場合には、TAを必要としません。
表 SOHOルータのインタフェース仕様(抜粋)
インタフェース | 説明 | |
LANインタフェース | 規格 | IEEE802.3 |
コネクタ | 8ピン・モジュラジャック | |
ポート数 | 5 | |
ISDNインタフェース(U点) | 規格 | ITU-T G.961 |
コネクタ | 6ピン・モジュラジャック | |
ポート数 | 1 | |
ISDNインタフェース(S/T点) | 規格 | ITU-T I.430 |
コネクタ | 8ピン・モジュラジャック | |
ポート数 | 2 |
A氏:なんとなく分かったような気もするが、まだよく分からない。このSOHOル
ータを使うと、どのような構成になるか、説明してもらえるかな。
C君:図3のようになります。ISDNに対応している機器がTE1であり、ファックス
が相当します。
図3 C君が描いた接続構成
A氏:そうか、これで、SOHOルータのカタログに書いてある"S/T点"という言葉
の意味がやっと理解できたよ。
C君:さらに、このSOHOルータにはいろいろな機能がありますが、今回はDHCP
サーバの機能も利用します。
A氏:なんだね、そのDHCPというのは。
C君:業務システムだけでしたら専用のプロトコルで済んだのですが、インターネッ
ト利用には、TCP/IPを使用します。その場合、LANに接続された機器にIP
アドレスを割り当てたり、DNSやゲートウェイのアドレスを設定したりしな
ければなりません。DHCPを利用すると、そういった設定や管理が簡単にな
ります。業務サーバをDHCPサーバとして利用することもできるのですが、
運用要件を考慮して、SOHOルータをDHCPサーバてとして利用します。少し
長くなってしまいますが、DHCPについて説明いたします。
次の記述は、C君の説明を要約したものである。
DHCPは、クライアントがネットワークに関する設定をサーバから自動的に読み
込むためのプロトコルである【 g 】を拡張し、・アドレス情報やほかの構成情報
の動的な割当機能を追加したものである。IPアドレス割当ての動作は、次のように
なる。ただし、@〜Cの文章の順番は、設問のために入れ替えてある。
@クライアントは、サーバIDやIPアドレスをセットして、DHCPREQUESTをサ
ーバに送信する。
Aクライアントは、サーバを見つけるために、DHCPDISCOVEをブロードキャ
ストする。このフレームのあて先MACアドレスの値は、【 h 】である。
Bサーバは、プールしてあるIPアドレスが【 i 】ときにはDHCPACKを、
それ以外のときはDHCPNAKを返す。
C サーバは、DHCPOFFERを返す。
最後に、クライアントは、整合性をチェックして、問題がなければシステム内の構
成を行って完了する。整合性のチェックには、ARP要求を利用したIPアドレス重複
のチェックも含まれる。
クライアントがIPアドレスの【 j 】前に使用を終了するときには、サーバ
にDHCPRELEASEを送って、IPアドレスを解放する。
A氏:そうか、よく分かった。素人に分かりやすく説明してくれてありがとう。シス
テム構築は、君のところに任せるよ。
C君:ありがとうございます。よろしくお願いします。
設問1
通信料金に関して、本文中の【 a 】、【 b 】に入れる適切な数値
を答えよ。
設問2
ISDNに関する次の問いに答えよ。
(1)本文中の【 c 】〜【 f 】に入れる適切な字句を答えよ。
(2)C君が示した図3を完成させよ。括弧内に機器名称を入れ、S点、T点の位
置を明示すること。
設問3
DHCPサーバに関する次の問いに答えよ。
(1)本文中の【 g 】〜【 j 】に入れる適切な字句を答えよ。
(2)サーバとクライアント間の動作を説明した@〜Cの文事を正しい順番に並べ
替えよ。
(3)IPアドレス重複の検出の仕組みを、"ARP要求、自IPアドレス、クライア
ント"の三つのキーワードを用いて60字以内で述べよ。
設問4
B社の提案で、DHCPサーバ機能を業務サーバでなくSOHOルータにもたせ
たのは、どのような運用要件によるものか。30字以内で述べよ。
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