テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去出題問題

 平成11年 午後1 問1

最終更新日 2004/01/24
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Tomのネットワーク勉強ノート
 過去問(午後)
   テクニカルエンジニア (ネットワーク)過去問(午後)
     テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去問 平成11年 午後1 問1

1

ネットワークシステムの設計に関する次の記述を読んで、設問1〜3に答えよ。

流通業のW社は、首都圏に本社と物流センタ、全国20か所に支店をもつ。現在、W社では、
販売管理システムの更新を検討している。検討に当たっては高い可用性が求められている。
この新システムは、TCP/IPを利用したクライアントサーバシステムで、本社、物流セン
タを含む22か所の全事業所のクライアント(以下、Cという)から本社のサーバ(以下、S1
という)をアクセスする。本社には、S1と磁気ディスク装置を共有したサーバ(以下、S2と
いう)を、S1のバックアップ用に設置する。S1に障害が発生すると、S2は自動的にS1のサー
バ機能を引き継ぐ。本社のバックアップサイトになる物流センタにも、サーバ(以下、S3と
いう)を設置する。災害などで本社が機能しなくなった場合には、S3を利用して販売管理シ
ステムの稼働を縦続する。
新システムのオンライン稼働時間は8:00〜23:00である。S3のデータを最新の状態にす
るために、毎日2:00〜5:00に、前日のオンライン処理の更新データをS1又はS2からS3に転
送する。図に新システムのネットワーク構成案を示す。


図 新システムのネットワーク構成案

スイッチングハブ(S-HUB)は、複数の10BASE-T又は100BASE-Tインタフェース
を収容し、ブリッジ機能及び【 ア 】機能をもった一つのLAN機器である。【 ア 】機能を
利用すると、ブリッジ機能だけでは実現でさない【 イ 】状のLANを構成できる。【 ア 】
機能は【 ウ 】802.1dで規定されている。本社のハブHUB22、HUB23は、援続されるS-
HUBの【 ア 】機能とR23、R24のルーティング機能によって相互にバックアップする。
S-HUB1については、予備を配備し、障害が発生したときには予備のS-HUBにつなぎ替
える運用とする。

ネットワーク構成案における事業所ごとのWANへの接続仕様を表に示す。

WANへの接続仕様

事業所 フレームリレー網 高速ディジタル回線 ISDN
アクセス
回線速度
CIRの合計
本社 512kb/s 【 a 】kb/s 【 b 】kb/s 基本インターフェース
物流センタ - - 一次群インターフェース
支社1〜20 64kb/s 16kb/s - 基本インターフェース

注:b/s:ビット//秒

本社と支店間は、通信サービス業者Xのフレームリレー網(FR網)を利用する。本社と
各支店間にPVCを設定し、各PVCのCIRを16kビット/秒とする。CIRとは、FR網が通常状
態において保証するスループットである。本社と物流センタ間は、通信サービス業者Yの高
速ディジタル回線を利用する。
新システムのネットワーク構成案では、通信サービス業者ZのISDNを利用し、FR網及び
高速ディジタル回線のバックアップを行う。ISDNは、FR網、高速ディジタル回線の障害の
ほかに、本社のルータ障害、及び本社のサイト障害のときにも利用する。これによって、日
中のオンライン処理に対して、正常時、バックアップ時ともに、1事業所当たり16kビッ
ト/秒のスループットを保証できる。
なお、支店及び物流センタのルータ障害については、バックアップの考慮はしないものと
する。
ISDNによるFR網のバックアップについて、その動作例を次に記述する。ここで、隣接ル
ータRmを経由した本社LANへの経路情報を、(本社LAN、Rm)と表すことにする。

[正常時の動作]

支店1のクライアント(C1)はS1あてのIPパケットを、C1の【 エ 】として定義され
ているR1に送信する。R1はそのIPパケットを、R1の【 オ 】テーブルにある経路情報
(本社LAN、R23)に基づきR23に送信する。この経路情報は、RIPプロトコルを用いて得
られた経路情報によって、動的に設定されたものである。R23はそのIPパケットをS1に送
信する。

[障害時のバックアップ動作]

FR網の障害で、R23からR1へ経路情報が一定時間通知されなくなると、R1は経路情報
(本社LAN.R23)を削除する。その結果、R1のもつ本社LANへの経路情報は、あらかじ
め固定的に設定されている(本社LAN、R21)だけとなる。
この状態で、C1からS1あてのIPパケットを受け取ると、R1はISDNの回線接続を行い、、
そのIPパケットをR21に送信する。R21はそのIPパケットを、R21の【 オ 】テーブルにあ
る経路情報(【 カ 】)に基づきR22に送信する。この経路情報は、【 キ 】からRIPプ
ロトコルによって通知された経路情報を基にして、動的に設定されたものである。以下、
同様にして、そのパケットはR24を経由してS1へ送られる。


設問1 

ネットワーク構成に関する次の問いに答えよ。

(1)【 ア 】〜 【 ウ 】に入れる適切な字句を答えよ。

(2)【 a 】に入れる適切な数値を答えよ。

(3)夜間のデータ転送に必要な高速ディジタル回線上の通信速度(kビット/秒)を求
めよ。答えは小数第1位を四捨五入して整数で答えよ。ここで、オンライン処理の更
新データは1日当たり3×10^8バイト発生し、データ転送の伝送効率は通信速度の
70%とする。

(4)巻末付表を参照し、【 b 】に入れる適切な数値を答えよ。

(5)3種類のWANについて、それぞれ別の通信サービス業者を利用することによって、
可用性向上の観点から期待できることは何か。25字以内で述べよ。

設問2 

次のそれぞれの障害が発生したとき、支店1からのオンライン処理はどのようなバッ
クアップ経路を利用するか。それぞれ経由するルータ名をすべて答えよ。

(1)本社のハブHUB22の障害

(2)本社のルータR23の障害

設問3

ISDNによるバックアップに関する次の問いに答えよ。

(1) 【 エ 】〜【 キ 】に入れる適切な字句を答えよ。

(2)R1上の経路情報(本社LAN、R21)は、動的に定義されるほかの経路情報とは異な
り、固定的に定義されている。この理由を30字以内で述べよ。

(3)FR網が障害のとき、支店と本社間のバックアップ経路は物流センタを経由する。
物流センタを経由せず支店と本社間を直接ISDNでバックアップする案に比べ、この
案が優れている理由を30字以内で述べよ。

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