テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去出題問題平成10年 午後1 問2最終更新日 2004/01/24
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テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去問 平成10年 午後1 問2 |
問2
インターネットのDNS(Domain Name System)とメール転送に関する次の記述を読ん
で、設問1〜4に答えよ。
N社は、A市とB市に営業所をもつ食料品卸業であり、取引先の注文に応じて配達までを
行っている。現在、二つの営業所内でTCP/IPのLANにパソコン30台を接続して電子メール
とWWWを試験運用している。また、N社は、受注業務にファックスを用いているが、取引
先から電子メールの導入を要求されている。そのため、二つの営業所のLANをインターネ
ットサービスプロバイダ(以下、ISPという)に接続し、営業所間での電子メール利用、取
引先との電子メールによる受注業務、WWWを用いた広報活動を計画している。この計画の
検討をベンダD社に求めた。D社では、新人のE君と指導役のF主任が検討し、ネットワーク
の構築、ISPへの接続申請を代行することになった。
なお、N社は週末の業務をA市営業所に集約し、B市営業所のすべての装置の電源は止め
ることにしている。そのため、週末のB市営業所あてのメールはISPの一時保存サービス
(ISPのメールサーバSに保存し、後日転送する)を利用して蓄積し、週明けに転送してもら
わなければならない。E君は図1に示す案を作成し、F主任に意見を求めた。
図1 営業所のネットワーク構成案
E君:図1の案を作成しました。DNSの動作と登録についてご指導ください。
F主任:君がA市営業所からB市営業所のM課長にメールを送る場合を考えてみよう。
(1)メールサーバAは、メールアドレスm-kacho@mail.b-eigyo.n-Sha.co.jpに関する
次の問合せをDNS-Aに行う。
@ mail.b-eigyo.n-sha.co.jpのCNAME(Canonical Name)レコード
A 転送先メールサーバのドメイン名(MXレコード)
B Aで求めた転送先メールサーバ(ここでは、ISPのメールサーバI)のIPアドレス
(2)メールサーバAは、取得したIPアドレスをあて先アドレスとしてメールをファイアウォールAに送る。
(3)ファイアウォールAと【 a 】は、メールを外部あてと判断し、メールサーバIに送出する。
(4)メールサーバIは、【 b 】というプロトコルを用いてメールを受け取る。
(5)メールサーバIは、メールアドレスをDNS-I-1に問い合わせてメールサーバBのIPアドレスを取得し、
メールを転送する。転送先からの応答がない場合、【 c 】を試みる。
E君 :メールサーバBが止まっている週末に、B市営業所あてのメールをISPのメールサー
バSに転送するには、具体的にどのようにすればよいのでしょうか。
F主任:いいところに気づいたね。正確に言うと、DNSには複数のメールサーバヘの転送
登録が可能で、各転送先メールサーバに優先度を与えることができる。
つまり、メールサーバIがメールサーバBへの【 c 】に失敗したときに、優先度
に従ってメールサーバSに転送されるよう、ISPのDNSに登録すればよい。あとは、
メールサーバSがメールを一時保存してくれる。
E君 : よく分かりました。ところで、LAN-A2のパソコンから外部のWWWサーバにア
クセスする場合、DNS-Aにアクセス先のIPアドレスの登録がないとき、どのよう
に動作するのでしょうか。
F主任:DNSは図2に示すように【 d 】構造になっている。DNSの動作を知るために、君
がLAN-A2のパソコンから情報処理技術者試験センターのホームページ
(http://www.jitec.jipdec.or.jp/)にアクセスする場合で考えてみよう。
(1)パソコンがDNS-Aにwww.jitec.jipdec.or.jpのIPアドレスを問い合わせる。
(2)DNS-Aは、自分自身に目的のIPアドレスの登録がなければ、ルートドメイン
を管理するDNSへIPアドレスを問い合わせる。
(3)ルートドメインを管理するDNSは、jpのドメインを管理するDNSのIPアドレスを答える。
(4)DNS-Aは、jpのドメインを管理するDNSに問い合わせる。このDNSは、
【 e 】のドメインを管理するDNSのIPアドレスを答える。
(5)このようにして、図2の上から下へと各段階のドメインを管理するDNSをた
どって、www.jitec.jipdec.or.jpのIPアドレスを得る。
なお、DNSへの問合せの際に、毎回上位のDNSにアクセスするとネットワーク
が【 f 】する。そのため、DNSは一度アクセスするとIPアドレスを保存する。
これをキャッシングという。
(以下、省略)
図2 DNSの構造
E君 : 分かりました。N社のドメイン名n-sha.co.jpのDNSへの登録や運用をISPに依頼し
ます。ところで、DNSが故障するとどうなるのですか。
F主任:DNSには、プライマリ、セカンダリの2種類がある。セカンダリDNSは、定期的
にプライマリDNSにアクセスして、内容を整合させている。セカンダリDNSは異
なるネットワークにも設置できる。
E君 : なるほど。では、DNS-AとDNS-Bは、互いに相手のセカンダリを引き受けるように登録します。
F主任:いや、その方式は問題がある。ISPにセカンダリを依頼してはどうだろうか。
E君 : 分かりました。ご指示に従って進めます。
設問1
本文中の【 a 】〜 【 f 】に入れる適切な字句を答えよ。
設問2
N社の公開アドレスとして最小限ISPから付与される必要があるA市営業所のアドレ
スを図1中の記号(@〜H)で答えよ。
設問3
N社のDNSの登録に関する次の問いに答えよ。
(1)どのドメイン名を管理するDNSに問い合わせれば、N社のドメイン名n-sha.co.jpが
得られるか、そのドメイン名を答えよ。
(2)a-eigyo.n-sha.co.jpのセカンダリDNSをDNS-Bに登録した場合に問題が発生する。
その理由を20字以内で述べよ。
(3)ISPのDNSにb-eigyo.n-sha.co.jpあてのメールサーバのMXレコードを登録したい。
次の表中の【 g 】、【 h 】に入れる適切な字句を答えよ。
なお、転送先メールサーバは優先度の値が大きいものから順に選択される。
優先度 | 該当するドメイン名 | 転送先メールサーバ名 |
200 | mail.b-eigyo.n-sha.co.jp | 【 g 】 |
100 | mail.b-eigyo.n-sha.co.jp | 【 h 】 |
設問4
通常DNSは、キャッシングされたIPアドレスを、一定期間が過ぎると消去する。そ
の理由を40字以内で述べよ。
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