テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去出題問題
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Tomのネットワーク勉強ノート |
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問2
コンピュータシステムの統合におけるネットワークの再構築と危険分散に関する次の記述
を読んで、設問1〜4に答えよ。
A社は流通サービス業を営む会社で、全国に四つの営業拠点(東京、名古屋、大阪、福岡)
がある。各拠点それぞれにコンピュータを分散配置し、図1と図2に示す構成によって受注、
発注、在庫、出荷、利益管理などの業務をオンライン運用している。東京拠点では全社業務
を行っており、各拠点からその日の受注データや発注データを集信し、東京拠点で処理した
データを各拠点に配信する。
各拠点のコンピュータシステムは、CPU、磁気ディスク装置(ディスク)及び端末制御
装置(TCU)が二重化されており、これらの装置の片系が障害となっても運用を続行でき
る。東京拠点と他の拠点間のデータ転送は、高速ディジタル回線を使い、HDLC手順の非同
期平衡モード(ABM)で行う。高速ディジタル回線の障害時には、ISDNのBチヤネル1回
線を使ってバックアップする。A社の受注及び発注業務は夕方に最繁時をむかえ、それぞれ
の拠点に接続されている高速ディジタル回線も、データ転送のためにほぼ能力一杯まで使用
されている。回線上のデータ転送効率は、0.8である。
A社にとって拠点業務のコンピュータ化は、大きな合理化効果につながった。しかし、最
近は経営環境が大きく変化し、コンピュータ費用や人件費に対する見直しが必要となってき
ている。見直しに当たっては、単にコンピュータ費用や人件費を削減するだけでなく、災害
に備えたネットワークの再構築や危険分散にも配慮し、システムの信頼度を現状より向上さ
せたい。表1にシステム構成機器の信頼度実績を示す。
現状システムの見直しのために、四つの拠点に分散配置してあるコンピュータ設備を、東
京と大阪の二つの拠点に統合して費用の削減を図り、名古屋と福岡の拠点にはTCUから先
の端末装置と出力装置を配置する案を検討したい。
具体的なシステム統合とネットワーク再構築の案(図3)は、次のとおりである。
(1)通常運用では、名古屋は東京にアクセスし、福岡は大阪にアクセスする。
(2)名古屋と福岡にある端末装置と出力装置をTCU経由で統合拠点(東京、大阪)に接続
するために、東京-名古屋、大阪-福岡間の高速ディジタル回線を増設する。
(3)統合拠点のCPU能力、メモリ容量、ディスク容量、CCP能力を増強する。
(4)統合後のデータベース管理システムにおける更新ログの発生量は、最繁時の1時間に東
京拠点では100Mバイト、大阪拠点で77Mバイトと予想される。
また、危険分散に対しては、統合拠点のいずれかが大きな災害に遭遇した場合にも全社業
務の停止を避けるため、正常な拠点がバックアップする方式を検討したい。このためハード
ウェアの信頼性だけでなくソフトウェアの面からも対策を講じ、東京拠点と大阪拠点で相互
にファイルを維持できるようにしたい。更に、最近発生した災害によるネットワークシステ
ムの被害の大きさや、修復時間の長期化に対する反省から、地上回線が使用不能となった場
合の危険分散のために、衛星回線の利用も検討したい(図4)。
図1 ネットワーク構成(現状)
図2 拠点のコンピュータシステム構成(現状)
表1 各装置の信頼度(実績)
装置 | CPU | CCP | ディスク |
信頼度 | 0.90 | 0.95 | 0.85 |
図3 システム統合とネットワーク再構築(案)
図4 衝星回線利用のバックアップ構成(案)
設問1
現状のシステムの信頼度について、次の問いに答えよ。
(1)図2において、現状における東京拠点のシステムの信頼度(回線、TCU、端末装置、
出力装置は除く)は幾らか。四捨五入して小数第2位まで求めよ。
(2)福岡からみた東京拠点のシステムの信頼度(TCU、端末装置、出力装置は除く)を求
めよ。東京-福岡間の回線は通常運用で2回線を使用する。ISDNのバックアップ回線を
含めて3回線のうち2回線が稼働していれば正常であるとして求めよ。
高速ディジタル回線とISDNの信頼度はともに0.90とする。
答えは四捨五入して小数第2位まで求めよ。
設問2
統合拠点はハードウェア構成上の各構成要素の信類度からみて、システムの信頼度を
向上させたい。東京拠点では何をすべきか、効果的な方策を一つ挙げ、10字以内で述べ
よ。その結果、システム構成上必要となる新たな機器を10字以内で述べよ。
設問3
図3のシステム統合案において、信頼度対策として相互バックアップによって、東京
と大阪拠点のデータベースを最大1時間の遅れで同一のファイル状態に維持したい。東
京と大阪間の回線容量を幾らにすべきか、理由を含めて40字以内で述べよ(回線上の伝
送方式は現状と同じである)。
設問4
図4に示すように、衛星回線を利用すると伝送遅延が発生するが、この環境において
もデータ転送の効率を高く保ちたい。また、再送が起きた時でもフレームの重複転送の
度合いを少なくしたい。このためにはHDLC手順にどんな機能が必要となるか。二つ挙
げ、それぞれ30字以内で述べよ。
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