テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去出題問題

 平成13年 午後1 問4

最終更新日 2004/01/24
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Tomのネットワーク勉強ノート
 過去問(午後)
   テクニカルエンジニア (ネットワーク)過去問(午後)
     テクニカルエンジニア(ネットワーク)過去問 平成13年 午後1 問4

4

経路設計を中心としたネットワークの設計に関する次の記述を読んで、設問1〜4
に答えよ。

X社は、東京に本社、大阪に支社を置き、関東、関西の主要部市にそれぞれ5か
所ずつの営業所をもつ電子部品の販売会社である。X社が取り扱う商品は、多品種で
多機能化しており、その商品サイクルも短くなっている。これらの商品情報を適時に
提供して販売活動を支援するために、HTTPで利用できる商品情報サーバを稼働させ
ている。

X社では、現在、本社LANに支社と各営業所のLANをISDNによって64kビッ
ト/秒の通信速度で接続し、TCP/IPを利用した社内ネットワークを構築している。
最近、社員のパソコン(以下、PCという)利用が活発化した結果、支社と営業所か
らは、本社に設置されたサーバ及び本社LAN経由でのインターネットの利用におけ
る応答時間の改善要求が多くなってきた。また、営業員からは"商品情報サーバを出
先からも利用できるようにしてほしい"という要求も強く出てきた。
このような状況から、社内ネットワークの再構築が決定した。この決定に従い、情
報システム部のY課長は、Z君に新ネットワークの設計を指示した。Z君は、早速新
ネットワークの検討に取り掛かり、図1を作成してY課長に説明した。

Y課長:この構成で、応答時間の改善は図れるのかね。
Z君:今後の情報システムの増強、インターネット利用の増加なども考慮して、保
  証される通信速度を現状の2倍にします。また、大阪支社にもサーバを設
  置してトラフィックとサーバ負荷の分散を図ります。具体的には、関東地域
  の営業所(関東営業所)は本社のサーバを、関西地域の営業所(関西営業
  所)は支社のサーバを利用するようにします。そのために、本社と支社のサ
  ーバ間では互いにデータベースの複製を行います。そのほか、FR網のトラ
  フィックを抑えるために、各営業所にHTTPとFTPのプロキシサーバを設
  置します。これで十分改善されると考えます。
Y課長:今回の変更で、通信費は大分アップしてしまうのかな。
Z君:FR網のサービスでは、アクセスポイントまでの専用線(以下、アクセス回
  線という)料金と論理パス使用料金が必要になります。しかし、論理パス使
  用料金は、距離と通信量には依存しない定額制ですので、通信費は削減でき
  る予定です。



図1 新ネットワークの構成

Y課長:分かった。出先からの接続は、どのように行うのかね。
Z君:営業所にRASを導入し、営業員は出先からPHSを利用して、所属営業所の
  LANにノートPCで接続できるようにします。
Y課長:ユーザ認証については、どのような方法を考えているのかね。
Z君:CHAPとRADIUSの組合せで行います。

Z君は、図1、2を基にユーザ認証の方法をY課長に説明した。


図2 ユーザ認証の手順

Y課長:障害対策は、どの程度考慮されているのかね。
Z君:各営業所と本社及び支社との間には、CIR1とCIR2の二つの論理パスを設
  定します。そうしますと、通常はCIR1の論理パスを利用して通信します。
  しかし、本社又は支社のルータやアクセス回線に障害が発生したときは、ル
  ータの動的経路制御によってCIR2の論理パスでう回します。また、商品情
  報サーバに障害が発生したときは、PCやノートPCの設定変更でサーバを
  切り替えることができます。
Y課長:その場合、ルータの設定変更は必要となるのかな。
Z君:設定変更を行わないでPCの利用が継続できるように考慮しました。
Y課長:それなら安心だ。それではZ君の案で進めることにしよう。


設問1

図2のユーザ認証に関する次の問いに答えよ。

(1)【 ア 】〜【 エ 】に入れる適切な字句を答えよ。

(2)本社の認証サーバに障害が発生したときでも、関東営業所の営業員が出先か
  ら接続できるためには、【 ア 】にどんな機能が必要か。30字以内で述べ
  よ。

設問2

図1の新ネットワークにおける経路制御に関する次の問いに答えよ。

(1).表1中の【 a 】〜【 c 】に入れる適切な記号又は数値を答えよ。

表1 R1のルーティングテーブルの一部

NO. インタフェース DLCI ネットワークアドレス ホップ数
1 s1 16 192.168.20.0 1
2 s1 17 192.168.30.0 【 a 】
3 s1 16 192.168.10.0 【 b 】
4 e1 【 c 】 0

注 DLCI:データリンクコネクション識別子

(2)R20に障害が発生したときには、表1のNO.1の行は表2のようになる。
【 @ 】、【 A 】に入れる適切な数値を答えよ。

表2 R20障害時のR1のルーティングテーブルの一部

NO. インタフェース DLCI ネットワークアドレス ホップ数
1 s1 【 @ 】 192.168.20.0 【 A 】

設問3

機器の設定に関する次の問いに答えよ。

(1)図1の営業所10から、インターネット上のWebサーバヘの接続をR20経由
  で行うためには、どの機器にどのような設定が必要か。機器名を答え、更にそ
  の設定内容を30字以内で述べよ。

(2)本社の商品情報サーバに障害が発生したときでも、関東営業所のPCから商
  品情報の検索を可能にするために行うPCの設定変更を、35字以内で述べよ。


設問4

R30に障害が発生したとき、図1のネットワークでボトルネックとなる箇所は
どこが考えられるか。20字以内で述べよ。ここで、ルータの能力は十分であり、
また、PCの設定変更は行わないものとする。

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